原発事故関連教材紹介

2011年3月11日の福島第一原発の事故以来、われわれは否応なく放射線と向き合いながら生活していくことになりました。このページは、公益社団法人福島原発行動隊の活動の一環として、原発事故や放射線、放射性物質について説明した書籍、PDFなどの教材、資料を集めたものです。記述の難易度や内容について一定の評価を行いました。評価の記述は、あくまでそれぞれの執筆者個人によるものであり、目安にすぎませんが、教材などとして利用される際の参考として、ご活用ください。
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高校生からわかる原子力〜池上彰の講義の時間



内容の程度専門的やや専門的一般向け中学生小学生
    
図版類の使用程度
(写真・イラスト・表)
図版主体図・文半々文章主体
  

内容項目  \  評価非常に詳しい詳しい一応の説明少しなし
原子力発電の事故
原子力発電のしくみ
原子力発電と社会・経済・環境
放射性廃棄物の処理
放射線と放射性物質
放射線の人体への影響
放射線の利用
放射線の測定方法
放射線から身を守る
除染について

【タイトル】高校生からわかる原子力〜池上彰の講義の時間
【発行形態】市販書籍
【著者】池上彰
【発行所】発行:ホーム社、発売:集英社
【発行年月日】2012年5月30日
【価格(税抜き)】1300円
【本文刷色、ページ数】1色、240p

内容説明
 現代における原発の問題が、非常によく整理して説明された本といえる。
 日本では福島原発の事故が起きて、にわかに原発の問題が脚光を浴び、人々がそれを否応なく意識するようになったが、その時期に、改めて原子力というものを原点から一般人のために説明してくれた資料として、きわめて貴重な本といえる。
 われわれは「原子力」というと原発のようなエネルギー問題として意識しているが、もともとは第二次世界大戦中の原爆製造に端を発した軍事技術であることを、端的に思い出させてくれる。アメリカばかりでなく、ドイツ、さらには日本でも、第二次世界大戦中に原爆開発が模索されていたことなども、ジャーナリスティックな視点から説明されている。
 さらに、戦後も、日本では核兵器保有が検討されたことがあり、政府自身が、「非核三原則」がありながらも、「自衛のための核兵器は持てないわけではない」との見解をもつという、非常にわかりづらい立場をとっていることにも触れている。そして、そのわかりづらい立場は、いまでも変わっていない。
 また、戦後の日本では、1954年(昭和29年)度予算で、突然、2億3500万円(現在の約334億円)という巨額の原子力関係予算が計上されたが、そのときの学界などのあわてた混乱ぶりも描かれている。のちにノーベル賞を受賞する朝永振一郎氏が、当時、「日本は地震があるので、そういったことをこれから考えようとしているときに、原子炉を創れといっても」と、当惑の声をもらし、さらに1956年の原子力委員会初会合では、湯川秀樹や坂田昌一といった有力な研究者が、原子力委員を辞任するというトラブルがあったことも描かれている。
 この本の中では、こうした過去のことに加えて、もちろん現代のことも触れられている。最も大きな問題は、大量にたまった核廃棄物をどうするかという問題。核燃料サイクルも含めて、こうした廃棄物の問題についても、現状が説明されている。

目次内容
はじめに
第1講 爆弾に使われた原子力
第2講 世界で最初の原爆投下
第3講 核開発競争始まる
第4講 原子力の平和利用へ
第5講 日本は原発を導入した
第6講 日本も核保有を検討した
第7講 拡散する核の脅威
第8講 原発事故と反対運動
第9講 悪戦苦闘の核燃料サイクル
第10講 原発に未来はあるか?
主要原子力年表
主要参考文献

【目次以外の資料キーワード】
現代版錬金術、アインシュタインの苦悩、日本の原爆開発、核軍縮の動き、日本の原発輸出

(内藤忍)