7月18日19時からIWJ channel2で山田と岩上氏の対談が放映されました(映像追加)

山田安暉×岩上安身(IWJ)の対談、USTREAM

以下、文字おこししたものです。
(文字おこし:木村 將)。

岩上:本日は福島第一原発暴走阻止行動プロジェクトと、(一時は)決死隊と言われたもの
ですけども、新しく名称も変わり、社団法人にもなり、そしてここ西新橋の方に事務所も構えられました、山田さんです。どうもお久しぶりです。

岩上:だいぶ活発にですね、前回伺った時から、行動されていますよね。
 院内集会も何回かおやりになられている…。

山田:ええ、もう6回になります。毎回中継していただいてありがとうございます。

岩上:ほぼ全部中継していると思います。

岩上:改めて、名称なんですけれど、どういう名称になりました?

山田:一般社団法人として福島原発行動隊という単純な名前に変えました。

岩上:なるほど、福島原発行動隊と。行動隊と…、シニア決死隊ではないですね(笑)!
“決死”というのは違うと、前回も仰っておられました。
「福島原発行動隊」と、それは正式名称と言うことなんでしょうね。

山田:そうです。

岩上:この間の経過ですけれど、院内集会などでお話しなっていられることもあると思いますけれど、見ていない視聴者のために、前回のインタビュー辺りからの一月くらい経ってはいますけれども、どんな展開になって、今日に至ることになったのか、ザッと経緯を教えていただけますでしょうか。

山田:最初に岩上さんにインタビューいただいたときには、まだ呼び掛けたと言うだけで,具体的なことは何も無いという状態だったのですが…。
 我々、その頃から国会議員の方々に色々声掛けをしていたんですが、なかなか反応を頂けないという状況だった所に、岩上さんのインタビューいただいて、一気に輪が広がったと…(あ、ありがとうございます、まっ切っ掛け作りくらいになれば…ハイ)
 そういう声が広がる中で、他のメディアの方々にも注目していただき、国会議員の方々も何人かの方々が力を出して下さるということがあって、東電さんとも、細野当時は補佐官ともお会いするという事があって、我々の…

岩上:お会いされたのは何日?

山田:5月の確か26日だったと思います。今から一月前余りになりますけれど。
 その辺りでようやく、政府の皆さんも我々のことを認知して頂くということが出来るようになったと思います。

岩上:山田のインタビューをした後、そういう「思い」を持って、お伝えする積もりで、わたくし統合会見で質問しまして…、初めてなんですよ山田さんの(プロジェクトに触れての質問は)…

山田:イヤイヤ、有り難うございます。そうやって質問して頂いたのが非常に大きなインパクトがあったと思っています。

岩上:ありがとうございます。
 あのー、東電が本当に渋っていたのと、それから細野さんがこの話を「前向きに検討したい」というような答えの仕方だったと思うんです。
細部は記憶が確かでは無いですけれど、非常にコントラストがハッキリしていてですね…、その終わった後に山田さんとお電話で話したんですね!…。
 で、山田さんがズッと中継を見ていましたと、あの細野さんの答え方だったら手応えがあると…、東電はなかなかね、嫌がるだろうけれども、政府の関係者が、ああいうふうに言ってくれたということは、これは前進する可能性があると、希望を持てたと、とっても喜んでいらしたのが非常に印象的でした。
 あれからトントン拍子だったんですね。

山田:その後に、細野補佐官と会うチャンスが具体的に出来たわけです。

岩上:向こうから話しがあったんですか。

山田:細野補佐官から東電を通じて声が掛かりました。
 東電の本社でほんの30分くらいですけれども、三者で会うということができました。
 そこで、我々の方から、このプロジェクトは国家プロジェクトで考えて欲しいと申し入れたのです。それと同時に、東電さんに事を前に進めるために、我々の視察団を出したいと、受け入れて欲しいと、という話をしました。
 それからは、やはり東電さん、なかなか渋っておられたのか、二週間あまり…、或いは株主総会が終わるまでは動けなかった事かも知れませんが、ようやく受け入れるということで、準備をして、これにも二週間くらい掛かったのですが、ようやく先日行くことが出来ました。
 ただ、現場を見たというのは確かなんですけれども、ある意味表面をチョッと見ただけで、本当の仕事の中身はこれから作っていかなければならない…。

岩上:現場視察の模様を詳しくお聞きしたいのですけれど、どういう所をまず見て来てらしたんですか?

山田:いうなら、面手から一通り…、水処理設備など、或いは建屋の周りを見て…、4号炉だけは上まで上がりました。それから6号炉の所で…

岩上:防護服を着て行くんですねー。

山田:もちろん。現場は入るには可成り汚染されてますから。皆防護服は着るわけですね。
で、4号炉の中入って、使用済み核燃料のプールの所まで、上へ上がって見てきました。
 可成り酷い破壊状況だというのはつくづく実感した次第です。
 あと、6号炉に入って、下の水の水位が大分下がったという所まで見せて貰い、或いはメガフロートを見たりということはしたわけです。

岩上:4号炉は傾いているとまで言われていて、もう本当に危険なんじゃないかと言われているのですけれど、その建屋に入れたのですか?

山田:はい、仮設の階段を登って上まで、一番上まで上がって来ましたが…。
 既に可成りの程度補強の工事が進み、我々が丁度行った時にはミキサー車が入って、
コンクリの打設をしておりましたから…。
 次第に、破壊されたプールの支柱支えも少しずつ固まってきたかな、と思います。
そういう意味では、非常に短い間に大変な仕事をしておられるというのは…

岩上:仮設の外階段から上がったということですね、建屋の内部からではないと…

山田:内部です。内部にある仮設の階段です。

岩上:そうですか、じゃ線量は、人が取り敢えず入れるくらいの線量だったということで

山田:4号炉は人が入れます。1、2、3号炉はまだまだ…

岩上:どのような装備で行かれたのですか?

山田:普通の皆さんが作業しているのと一緒で、入る順番はあまり報道されてはいないと思いますが、まず宿泊は「いわき市」の小名浜に泊まったのですけれど、朝早くバスで「いわき」の駅からJビレッジへ行って、Jビレッジというのは丁度20キロの境目なものですから…、そこでシャツと防護服を着て、普通のマスクをして、マイクロバスで出て、10キロの地点から、防護マスクをするという恰好で現地に入るということです。
 で、免震重要棟の中で、今度靴を全部履き替えて、で汚染地帯に入るというふうなことになりますね。で、その状態で今度、免震重要棟に来たら全部上から下まで…

岩上:どういう機能を持つ棟なのですか?

山田:免震重要棟というのは、地震から全部浮いた恰好で出来ていて、球の上に乗っている、そのために全く壊れないで機能しているということで、そこに現場の作業のセンターが全て入ってます。ですから作業される方はそこに一旦入って、現場に入って汚れた服を全部着替え、そこからまた外に出るということになりますし…
 それから、現場の作業のコントロールは、そこで何百人の方が一緒になって仕事をしている(大きい施設なんですね!)日々の作業はそこでコントロールしているという事のようです。
 もっと全体の大きなコントロールは、福島第一安定化センターというのが東電の組織として出来ている。それは第二原発の事務所を使っていると聞いています。そこで長期の計画を立て、資材の発注をし、少し長い期間の仕事の計画を立てるということのようです。

岩上:Jビレッジでは何人くらいの人が働いているのですか?

山田:そこで宿泊している人は100人、150人くらいと聞いています。(それ以外の方は?)殆どはいわき市から通っている。(あ、なるほどね!)
 実際日々作業している方は2000人余りと聞いていますので、ですから百数十人以外は全部外から毎日通っていると…、だから着替えて終わってから除洗して全部チェックをして、往復する時間まで入れると3時間4時間という時間は軽く潰れてしまうわけですね。実際の労働時間というのは極端に少ないということにならざるを得ないと、大変な仕事なんです。

岩上:あのー、個別に自分で管理できるような線量計というのはお持ちなって行ったのでしょうか。

山田:もちろん。必ず付けていかないと原発の中へ入っては、いけないことになっていますから。

岩上:それは、そこで数値が分かるようなものなのですか?

山田:免震重要棟で直ぐに分かる…、(作業が)終わった時にチェックして出てくると…。

岩上:例えばガイガー・カウンターのように直ぐ変化が現れて自分自身で見ることが出来と、そういう物ではないんですか?

山田:それは、それで手で持って行く。それは我々を案内してくれた人が…、我々も持って行ったんですが、持って入ると(汚染されてしまうと)持って出て来れない恐れがあるので…

岩上:どの位でした?線量

山田:場所によって物凄く違うようで、細かいことまで聞きませんでしたが、走って通り抜けようというような所も…

岩上:高い所で、どんな数値だったのでしょうか?

山田:ちょっと詳しいことは…。我々が行ったのは見学コースですから、あまり酷い所は行っていないということで、全体で浴びた線量も我々2時間くらいの中で0.17mSvとか…、たいした量じゃ無い。

岩上:ま、安全なコースを基本は選んでいると!

山田:ということだから、そういう意味じゃ観光コースを通っただけで、本当の厳しい所を見ているわけではないと。

岩上:記者会見では瓦礫も撤去されていて、随分作業が進んでいると、東電側は可成り頑張ったと、東電を評価する声も参加者の中からも上がって、その伝えられ方を見ていると、東電に任せておけばもう大丈夫だというような楽観が、ですね、伝わったような、そんな感じがあるのですよ!実際問題そうなんでしょうか、それで宜しいんでしょうか?

山田:これには色々な意見が沢山あると思います。
 少なくとも、一時非常に大きな心配だった、暴発してしまうんじゃないか、暴走してしまうんじゃないかとか、という恐れからはかなり遠のいてきている。ただ本当にもう一度大きな地震や津波が来た時に一体何が起こるかといったら、それは大変心配ではあるけれども、それがない状態の中では、ひとまずの何もない状態でも危ないという処からは、ひとまず逃れることが出来たのだろうと、私も思います。

 ただ、造られている設備が、特に今の冷やす水の設備なんですけれど、これは全くの仮設の設備ですね。全体ホースで引っ張っているという訳で、とても一年も持つような設備ではないという物ですから、東電さもそこでは恒久設備にするということを仰っています。

 いずれにせよ仕事の種類として、電気を発電して配電することを生業とする東電という会社の仕事としては、非常に異質だということは間違いない訳ですね。しかも、そういう会社だから技術屋なり或いは仕事の体制なりが、こういう設備を…例えば水処理の設備を造りそれを運転していくということに適した会社では決してない訳で、そういう意味で東電が責任を持って仕事を続けるということでいいのか、ということが一つの疑問としてある。しかも5年、10年という単位で遣っていかなくてはならいし…(それは専門の会社じゃないだろと、本業からいって)ハイ!
 
 それから、更に、利益を追求する会社の仕事として、果たして長いこと持ち続けうるのかという点では私は非常に疑問を持っています。
 そういう意味でも、国家的な、或いは更に…、技術の専門分野からいっても全く違う専門分野ですから、そういう専門家がちゃんと評価できるような、或いは仕事を続けていけるような、そういう組織を創ることが望ましいと、いうふうに私は思います。
 
 それからもう一つ大きな問題は、我々が提案している、高齢者が若い人の被曝量を減らすということを実現するという為にも、今の仕事の体制ではとてもじゃないけど遣りきらないということもありますし、
 
 更に、現在、福島に限って被曝の制限量も100mSvから250mSvに上げた訳ですけれど、もし250mSv浴びてしまうと他の原発のメンテナンスが出来なくなってしまうという問題も起こってくるわけで(日本中から集めて来ていると言われてますよね)、そうですよね、そういう意味でも、技術職・専門職含めて全体をキチッと管理、被曝量をコントロールし、ある意味では最適化すると、で、我々高齢者もそういう処で仕事にうまく入っていくというようにする為の管理体制、或いは管理システムを造っていくということも必要になってくる。
 そういうシステムをキチッと運用するとしたら、今の東電さんの体制では出来る筈がないと思っています。益々やっぱり国家的な新しい機関と創っていくということが必要なんだろうと…。
 
岩上:なるほど。
 幾つかの論点がありました。そのまま通り過ぎるわけには行かないので、元に戻りながら,検証しつつお聞きしたいのですけれども、

 先ず、安定化したと、山田さん向こうに行かれてですね、結論を下されているのですが、果たしてそれは本当なのか?これの疑念があります。というのは勿論、東電はズーッと「安定化しています」と言い続けています。
 でもこれは当初から…かなり早い段階から言っているわけで、それから追加のドタバタがあり、そして線量がこんなに低くなったと言い、ところが、ある日突然線量が倍になったりですね、今まで、「イヤイヤ出ていた話と違いました」になり、「メルトダウンしてました」になり、「メルトスルーしてました」になり、「圧力容器・格納容器穴空いてます」になり、で、自分の起こした評価を逆に小さくなって行くんですよね。
 
 レベル4といったときにはですね、私その時に会見で質問しているから間違いないのですけれども、チェルノブイリがですね、これ最終的に収束するまで、チェルノブイリと同等の放射性物質が出て、或いは超えるかも知れないと、あの松本さん御自身言ったんですよ。だからレベル7に変えた。レベル7に変えた時にはチェルノブイリよりもズッと少なく止まるだろうと、どうして事故が、見積もりが大きくなって、遙かに大なものになってしまった時に、放射性物質の拡散量といいますか、放出量が小さくなるのか理解しがたいから、もう一回ダメ押しで聞いたんですけど、「イヤそうなると思います、変わりません」と、こうなるとあのレベル4の時にはある種の知的誠実さがあるのかと、思えたんですよぉ!思い掛けたんですよ。もうこれは開き直っているのかなと、その上ですね安定している安定していると言い続けいいますがー、ありとあらゆるデータ数値がですね「ハイ分かっていませんでした」と、急に分かった事になりましたよね。これをどう信用したら良いんだと…
 それに普通に考えてメルトダウンが起こっていると、ま、そうでしょ!燃料が何処へ行っちゃったか分かんない、それで、なんで安定とか収束とか言えるんだろうという風に、もう非常に疑問に思うんです。
 
山田:そういう点で言えば、私が今申し上げたのは、激しい再臨界が起こって爆発、暴発が起こるという心配はかなり減っているという意味で申し上げているのであって、例えば、地下水がまだまだどうなっているか分からない状態だし、未だにまだ高い温度になっているわけですから、部分的に高い温度になって更に下へ溶けていくということで、色んな基礎までおかしくなっちゃうとか色んな事が起こってくる、或いは汚染がもっと激しくなるという問題が残っている、だからまだパイル(杭)をチャンと打って地下水を止めると、いう膨大な仕事を遣らなければならないという膨大な仕事が残っている。
 それから、水を処理したら高濃度の放射能の高い汚泥が沢山出来るわけで、これをどう処理するかということも分かっていないということで、そういう意味で対策が、まだまだ遣らなければならないことが一杯あるということは、そういう事についてはもう間違いない。その辺についてキチッとしたアナウンスメントがされていないという点については仰る通りだと思います。

岩上:劇的な再臨界による水蒸気爆発というスペクタクルは若しかしたら、今起こる確率は低くなっているのかも知れない。

山田:そういう事だけのことしか私は申し上げてない。それ以上のことは…まだまだ遣ることが一杯残っていると思っているし、それが東電さんがやり続けて本当に色んな意味で持つのかという点については非常に疑問に思っている。

岩上:ま、爆発的に放出されるか、それともジワジワと放出されるか、だけれど事は爆風によって人が死ぬわけでもないから、問題は、結局は放射性物質の拡散にあるわけですよね。

山田:ただ、爆発的なことでなければ、少しゆっくり時間掛けてでもチャンと止めていくという仕事をやれば遣れないことはないという意味ですね。爆発だったら一遍に起こっちゃうから、てんでお手上げという状態だと思う。それは、地震があって大変な事が起こったら、チョット私その時に何が起こるのか言い難いところですけれども、今の状態で天才も何も来ないという限りにおいて爆発的な事はあまり起こる可能性は無いだろうと私は思っている。

岩上:では問題は、爆発という局面ではなくて、放射性物質の放出を止めて行くという問題ですね、既に外界に出てしまって周りにあるので、これは事は大変なんですけれど、これ以上増えないとすると、少し時間を稼げたと、だけれども手の打ちようがあるのかと、果たしてメルトダウン、メルトスルーして燃料何処に行ったか分かんないという状態をですね、どうやったら回収することが出来るのかと…(イヤ、回収は出来ないでしょう。)
 出来ないんですね!だから発見も回収も出来ないんですね。(それは無理だと思う)技術的に!
 
山田:技術的にまず不可能でしょう。どう考えても、建物ぶっ壊して全部引っ張り出してくるということは、それはチョットとてもじゃないけど、あり得ないと思いますから、だから回収は出来ないから、今のような水のかけ方でズッと長い間冷やし続ける…。

岩上:となるとね、そこで、政府が、或いは東電が言っていることが信用できないわけですよ。プロジェクトというのは工程表がないと行けないわけですよ、その工程表も新旧ありますー、でも相変わらず期間は変わらない訳ですよ。高々一年何ヶ月で収束に向かっていくのですか。

山田:例えば、今仮設のホースで遣っている冷却というのをこれを恒久設備にするということが工程表に入っているのかということは、チョット私も思えないと思います。

岩上:且つ、恒久化した後に、そこから取り出せないとしても、その燃料という物が全く害のない物になってしまって、放置しててもいいよと成るのなら兎も角、十年どころかもっと掛かりますよね。ということは、それを冷やし続けなければいけないと(ハイ)いうんだったら、どう考えても、あの工程表で一年やそこらで終わる訳ないじゃないですか。あれは何なんだと思う訳ですよ!<語気強く>

山田:それは、私は何とも答えようがない。

岩上:でも技術屋で、プラントを遣ってきた管理する目から見たら、あれを見て可笑しいと思いません?

山田:あれは、だから、私の理解はね!仮設で一先ず、取り敢えず遣らなければならないことを遣るのはこれだけと、いうのが一年足らずの工程表みたいですねー。

岩上:あれ冷温停止とか書いてありましたよ。冷温停止するわけないでしょ、だって!(笑)
だから、ああいうのが出来ない約束ですよね。

山田:そっから先のところまでズッと、本当は書かないと…、(可笑しいですよね)そこまで政府が何で見ないのか、よく分かりませんけれどね…

岩上:なんかこう、山田さん達もですね、政府の姿勢に対して厳しい視線で、批判をしながら協力をするという存在、物を言う、チョット煙たくてですね、だけれども、だからこそ、我々一般国民から見ると頼もしく信頼の置ける存在というふうに見ていたのが、とてもチョット政府にたしてですね、気を遣って、あまり批判的な事をチョット控えるような方々になっちゃったのかなと、いうような思いがあるわけですよ。どうしてそんな急に甘くなるんですかーって、ちょっとまだ…

山田:色んな理解があると思いますけれども、一つは、我々が外から見て可成り大変なのではと思っていた所から見ると、可成りキチッと仕事は進んで来ているという第一に印象を受けたということです。例えば瓦礫の問題なんかもそうですけれど、前の状態から見たら、かなり綺麗になっているというのは間違いない。

岩上:それじゃぁ、なぜそういうものを映像に出して、取材をさせ、或いは自分たちが積極的に広報する、現実の現場を見せる、働いている人の姿を写す、そういった人達の取材を受けさせる、遣らないんですかね。

山田:なんとも…<困惑気味の体>
もう少しキチッと広報した方が彼らとしても、東電さんにとっても、政府にとってもいいんじゃないかと、その点では思います。
 その上でどういう問題があるのかと、キチッと議論するということが必要ですよ。
 さもないと変に、上げ足的な批判があったり、本当に解決するための問題提起とな別の議論が起こってしまう。

岩上:勘ぐられますよね!

山田:それは勿体ないことと思います。
あの、無線操縦のブルドーザーで瓦礫処理したということが、チラチラ聞いてますけれども、そういう風なところをもっともっと公開してもいいですね。
 東電さんが政府に出している資料の中には書いてありますね。 

岩上:政府向けと、われわれ一般に公開されているのは違うと…

山田:何処でどう抜けているのかよく分からないが…
写真も資料も貰って来た中に入っていました。

岩上:それは公開していいんですか。(しているんだと思うけど)
それじゃ皆さんが貰った物は公開するとかは…<資料を取りに席を立つ山田代表>

山田:すいません!家持って帰ちゃった。<ん~残念!>

岩上:是非、その写真やら資料やら、皆さんが折角行かれて、手にした物、手に入れた物、そういう物は公開して頂けたらなーっと思います。

山田:少なくとも今の(話の)無線のブルドーザーの写真は、現場で政府に報告した資料だと思いますので、その中に…

岩上:じゃー、改めて後日…、チョットお借りして、upさせて頂きます。
 ということで視聴者の皆さんには、今此処では公開できない資料、それから絵も公開させて頂くようにします。纏めの録画訂正をするようにしますので、お楽しみにして下さい。
 
 そういう資料を、誰彼差別なく見せて頂きたいですよね。で、納得や安心をさせてもらいたいもんだと思いますし、何故ああも、我々と労働者を隔絶するようなとこになっているのか、チョット分かんないですけれど、向こうで現地で働いている人と直接話したりすることは、それは出来ましたでしょうか?

山田:作業している方とお話しをするという時間は、なかなか取れなくて、結局駆け足的な視察になってしまって残念なんですけど…
印象で言ったら、皆さん…こう、兎も角追いまくられているという感じしますね。

岩上:後方で、現場作業員と言うよりも、本当に最前線に出る兵士なようなもので、でもその兵士を送り出す後ろの補給部隊があり、兵站があり、後方基地があり、そういう所に居る職員達とは接触したわけですよね!そういう職員と接した僅かな時間だと思いますけれども、どんな方がどんな事を言ってらっしゃったのか?

山田:これも受け付け手続きとか遣ってもらっただけなので、とても残念ながら言葉を交わすような状況ではなかったのですが、皆さん一生懸命遣っているという感じはしますけれど、相当厳しい環境の中で一生懸命遣っていると、狭い所で色んな資料などの箱を…全部仮置きの物で並べて、Jビレッジの中というは、なんていうか…あれをキチッと失敗なく仕事を流して行くというのは、大変な事だと思う。これで長い期間続くのだろうかと、心配はある…。

岩上:先ほど仮設の、とりわけホースなど恒久的な設備じゃないと、プロの技術屋の目で御覧になっての判断なんだと思いますけれども、この仮設の設備…ホースとかがですね、しょっちゅうトラブルを起こしていて、この間はそれが切断されるというか、外れるというか、というようなことも起こりました。アレバとキュリオン、鳴り物入りで入ってきた設備なんですけれども、ずっとトラブル続きです。まー、一生懸命遣っているのかもしれませんが、欠陥品なんじゃないか、そもそも、という不満や、或いは疑念や、更にその接続…オペレーションですね、溶接なんかの部分が酷いんじゃないかと、大きな水か流れる所に薬液を注入するパイプが如何にも仮設で、それが漏れてストップしたという件もありました。これは非常にチャチな、詰まりは工事がチャチだと、だからやっつけ仕事遣ってんじゃないかと、物類がいい加減なんじゃないかと、工事がいい加減なんじゃないかという批判がある、これまでも統合会でズッと出ているんです。どうでした?

山田:これは、ある意味で仰るとおりだと思いますし、東電さんも多分分かっているだろうなと思いますが、少なくとも水処理の四者の設備を一つに纏めたのは東電さんなんですよね!(ベストミックスを集めたみたいなことを言っていたのですけれど)いや、だから個々は其々チャンとしていたの「かも」しれない、分かりませんけれども…、もしチャンとしていたとして、と考えても、それを纏めて一つのプラントにするというのが、一つの大きなエンジニアリングの仕事なんですよね!水処理設備を造るという、東電はそういう専門会社ではない訳ですよ。だからあの工事をキチッと設計して管理して建設できると、いうことを期待する方が無理だと考えるべきだと思います。それが、さっき申し上げた国家プロジェクトにして、そういう建設の専門家・専門会社が遣るのでなければ無理だと言うことの理由です。

岩上:東電では汚染水処理のプラントというか、施設をコーディネイトして造り上げるという能力が不足していると言うことですか?

山田:無いのは当然ですよ!エンジニアリング会社じゃない訳ですから、そもそも…

岩上:これは、やはり専門の会社というのはあるんですか?

山田:例えば、水処理の専門会社だったら荏原製作所だったり…、というふうな会社がそういう能力を持っている筈ですね、個々の事は知らなかったとしても、水関係の処理設備を造るという会社はある…(荏原製作所なんかは、そういうことがお得意な会社の一つなわけですね)だと思います。

岩上:そういう会社に任せるという手はあったんですかね?

山田:だけれども、じゃぁ荏原製作所だけで出来るかと、いったら多分、荏原製作所自身は原子力に関しては、或いは原子力の汚染水には全く知識はない訳ですから…、例えば荏原製作所の有力なメンバーが中心になって、その周りにチャンとスタッフを配置するというようなことが必要なのかも知れない。そういう最適なスタッフ構成というのか、ストラクチャー(構成・構造)を含めて、組織と人間とを両方含めて最適なものを作っていくということが、どうしてもいるんだろうと思います。

岩上:それを国が出来るかと、つまり経産省とか保安院とか原子力委員会とかで出来るのかと、グロップ(glop)にズーッと晒しているわけですよ。大したことも出来なくてですね、東電からの情報を右から左に言っているだけで追認して…

山田:あのー、官僚が出来るという意味じゃないですからね!「国が」と言っているのであって、国の旗振りの下にそういう人間をちゃんと集めるということなんです。

岩上:問題は国の旗振りの下に、国の権限と言うのは、そりゃ権限行使すれば大きいですから…。じゃーその下にプロデュースする人は誰なんだと、どういう人々が出来るのだろうと、そういうイメージとしてはどうなんでしょうか?

山田:具体的な人の名前という点では分かりませんが、何れにせよこの仕事は利益を生む仕事ではありませんし、利益単位で組み上げようと思ったって、とてもじゃないが簡単にはできないですねー、それこそ国が金を出して、例えば「アレバ」が遣ると盛んに名乗りを上げているようですけれども、そういう利益ビジネスになる…であればそれはそれで、1つの考え方であるのかも知れないし、何れにせよ私は、少なくとも国が金を出して何らかの組織に仕事を任せていくと、いう事をしないとと思うんですよ。

岩上:そこが問題ですよね-。(どういうふうに出来るか?<山田、首を傾げる>)
 東電が他の会社を入れないのは何ででしょう?

山田:今は東電に責任と実務を任せている…ですよね、政府が全て!だから政府が全て「やれよ!」という風に指示しているんじゃ無いでしょうか。

岩上:それが、例えば東電が「我々は専門家じゃ無いから、余所さんの力も借りたいと、日本中の色々な力を結集させてくれないかと言えば、もう話も簡単なような気もするんですけれど。<山田、首を傾げる> 簡単かどうか分かんないですけれど、事が進むような気がするのですけれど…

山田:けれども東電という会社が、そういうことを真剣に遣れる…、ま、現場は一生懸命仕事をしていますけれども、会社としてね!そんな本気で遣れる筈が無いと…、そうじゃないですか、利益追求会社が、そんなことを一生懸命本気で遣っちゃうわけにはいかない、会社として!

岩上:公費と投入されて、ある意味コストを掛けてもいいんじゃないというような、色々な保証が無いと、そこまで真剣になれるかー…みたいなところもあるんですよね!

山田:本質的に私は無理なんだと思いますね。
 そりゃ、現場の方々は本当に一生懸命やってらっしゃるのは、見てて良く分かる、つくづくそうなんだと思いますけれども、そのことと、会社として遣れるかというのは、全く別の問題だと考えないとダメですよね。それだけの保証は…
 そこで仕事をしたことがそれなりに評価される、要するに働いている一人一人がそこに生き甲斐を持てるような仕事をしなきゃいけないということでしょ、そういう意味で言ったら、とても難しいと…

岩上:一番の難しさ、一番(視察して)発見してきたことはその辺りと言うことになるのですか?

山田:あの、段々に煮詰まってきたということで、ある意味ではそんなこと見に行かなくたって分かることですね!
 見に行かなくても分かることだけど、そのことでやっぱり一つの姿勢、或いは考える姿勢が、皆それぞれ試されて、もう一段上に上がっていくという、ステップの処に今いているんだと思います。

岩上:マンパワーの適正配置、被曝管理を含めたお話しがありました。
 福島第一原発に集中させたら他の原発が疎かになるだろうと。更にもう一撃何かが起こったとしたら、もうお手上げですね!(そうですね、それはもう間違いないですね。)
 
 実際問題として、決死隊の、沢山決死の思いで、それこそ働いている労働者がいると、決死じゃいけないんですけれども、かなり無理なされているとおもうんですけれど、250mSvまで上げているということで、それはかなり心配です。でも、そこまで緩和して人を投入していて、他でトラブルがあったら手に負えないんじゃないかと思いますけど(それは多分そうでしょうねー、間違いないと)

 この全体の管理ということは、いま言った「もしも」ということを考えて作戦を立てるべきじゃないですか、これ戦争みたいなもので、参謀本部は一戦線だけなんだと、他の戦線は戦端は切られないんだと、そんな呑気な考えで良いわけじゃないじゃなくて、敵はこっからも攻めてくるかも知れないと、その時に予備兵をどのように確保しておくかとか、予備人員を全部手不足にしたら、何かあったら行けないですよね!

山田:それこそ今は決死で遣っているようなものみたいな、全体でいえば決死で仕事を遣っちゃっているということになっていますね!

岩上:その決死で優秀なパイロットが、ま、潰れてしまうと、この場合死なないまでも被曝管理上は(ある意味で決死ですよね)、5年間仕事をしたら従事できないという状態で、退役してしまう訳ですよね!
 そこで、どうやって、そういう人達をプールしておくか、やっぱり余人を持って代えられいと、陸軍の歩兵と空軍のパイロットでは、やっぱり質的に違うわけですから、じゃどういう風にこれを確保するのかと、皆さんはパイロットではないのかも知れないけれど、歩兵とか工兵とかの役割を果たすじゃないかと思うんですね!
 こういうことを考えなくちゃいけないということですが、この話しは、例えば細野さんでも政府の人間でも、東電のお偉方でも、お話になったりは…

山田:これからです。

岩上:まだ、お話になってない。(これからです。)
そういう面談の場では出ないんですか?

山田:まだ。
 東電さんは実際にご自分で人を抱えて遣っている処というのは、あんまりない訳ですね。
後は東芝・日立の方々から更に下請けということになりますから、本当の実態というのは見えないと思います。
 今の管理体系の中では、人を集める処での、末端でのトラブルが発生するまで、事態の本質は分からないんじゃないでしょうか。だから実態が分かるような管理体系を作らないといけないと…

岩上:それは情報が明らかにされていないとか、ということが物凄く大きいと思うんですけれど…。
 特にその結局は、今敢えて兵力と言う言葉で言っていますけど、労働者のことなんですが、その労働者がどれだけ傷ついているということと非常に近いんですね、兵士も動かせば損傷します、傷を負う、そうすると何パーセント傷を負ったから後方に引き上げなければいけないのか、じゃ次に戦える人員はどれ位投入するのかと考えるのが重要な戦略的戦術の要諦だと思うんですけれど…、
  被曝状態がどのようにあり、どのような人がどれだけどう働いているのかということが開示されないということはですね、全く持ってその適正な配分になっているということが、分からない…
 
山田:全くー、そういう考え方を出来るような体制がないですね。だから管理システムのデータベース一つ取っても、中央登録センターがありますけれども、ここは数値は集めているけれども、それだけでしかないですね。そこから先は、一人一人の被曝の問題に関していうと、雇用主が責任を持っているだけですね。(幾重もの下請けの雇用主?)そのようです。(そんなことでは全体が見えるわけがない)見えるわけがないですし、それから、こんどその雇用主から外れてしまったら、もう管理の対象外になってしまうということになる。それでまた別の会社に行くと、今度はそっちの方で管理すると<個人被曝線量の一貫管理がされていない>、若し被曝した人の後々の管理というところまで考えると、今の体制では(ほったらかしにされてしまうんですね)…。

岩上:個人は、どうしても働きたいから、自分の線量管理を誤魔化すとか…

山田:イヤ、それは簡単にはできないです。放射線手帳でキチッと管理されていて、データは発電所から中央登録センターに必ず行きます。で、ここで手帳の番号は全部控えられています。その手帳に書き込みをすると、書き込みの誤魔化しは原則的に難しい。この手帳のシステムでは被曝線量の履歴は全部分かるようになっている。だけど全体として最適配置するということは何処も遣ってない。

岩上:今、再稼働がどうとか出いてますけれども、あくまで地震で損傷したのではないと、津波だけが悪いんだと!津波の問題だけに矮小化し、それは非常電源確保しておけば大丈夫だとか、防潮堤をどうすれば大丈夫だとか、兎に角再稼働に向けて一生懸命ですよね!

 全体見渡して、大きな一時的敗戦があった。その敗戦の教訓というものを汲み上げ分析する間もなく、次の稼働に向けて行くという中で、「若し」が起こったらということは…
 それは今回の事故が起こる前に起こり得ない事は起こり得ないんだと、まるで神風みたいな思考と変わらない訳ですよね!そんな状態の中で、何処かで第二戦端が開かれてしまったら<重大事故が起きたら>二つの戦線を持ち得るのかという、ことは考えているのかと、多分こんな問い掛けはしてないと思うんですよ。

山田:してないと思う。
 してないとか、しているというより前に、そういう…これを戦争として考えて、戦争に兵士をどう配置するかということを全体としての計画を立てるということは、今全くやられていない構造なんですね。これは日本の産業の中で、人々が仕事をする時の体制がそうなってしまっている。いうなら大きな大会社の社員がいて、それの下請け孫請けと、たいていの場合でも、社員の数と同じかそれ以上の下請け孫請けが支えているというのが、日本の産業構造ですね。
 それと同じことが原発でも遣られているわけで、そういう意味で、一番下の現場で働いている方々を全体として、「兵士」として最適配置をして行くとは、一切やられたことはないというのが実態で、だからそこを切り替えていかないと、この事故の始末が、今後何十年の単位で遣られるわけで、管理をキチッとしないと、とても遣りきらないと。
 
岩上:この1、2年の内に3.11と同じような大震災が起こるかもね!と言われたら、そんな確率は無いかも知れない、だけれども、10年、20年と言われたら…、チェルノブイリ25年経っても、実際は中を何一つ片付けることが出来なくて、石棺と言われる建物も劣化してきていると、こんど100mくらい離れた所に鋼鉄製のドームを建設して、そこからレールで入れるらしいですね、1200億ですって!恐らく膨れあがる、またフランスなんですけど…。コンクリートで固めるというと上からセメントをドシャドシャ掛けちゃって、チエルノブイリの炉自体がコンクリでカチカチに固まっているかのようなイメージですけれど、そんなことでは全く無くて、それより全然中に入れないまま、ただ外を覆っただけ、それがもう劣化しているんですね!

 と言うことを考えていくと日本も、多分十年度頃じゃないと思うんですね、燃料が何処にも見つからないまま、あの辺りにあると言いながら、遮蔽して、その遮蔽も劣化して、それをまた再度覆うということを繰り返して、何十年も何十年も掛かるという可能性がかりますよねー、その間に若し、また他で<原発事故>ということになったらどうするかということへの、やっぱりミュレーションくらい立てるべきですよねー。

山田:そういうことで言ったら、この間に、最悪の事態を想定して、そこから手を打って行くということが、ズーッと遣られないまま…、だから結果的には小手先に見える仕事から遣ってきたと言うことは間違いないことだと思いますね。

 これも、前にも申し上げたと思いますけれど、自分の子供の治療を出来る医者はいないという風に申し上げたことがあるんですが、東電さんが自分の子供である原発を自分が治療できるという風に考えることはチョット無理なんじゃないかと、最愛の事態を想定して手を打って行くというのは、自分の子供に対しては出来ないということです。「出来るだけ大した事ではない」と思いたい、だからそっから手を打って行くというのは否応なしですね!

岩上:最初の内は廃炉にしないと言っていたんですよね!(ですよね!)
 考えられないですよ!もう、本当に。

山田:外から見ていると、二度と動かせるわけないじゃない、と思うんだけれども、廃炉にしないということが、あの時点で出たことが典型的にやぱり…

岩上:しかも今出ている情報と重ね合わせると、メルトダウンしていることを薄々分かっている時にそんなことを言っているんですよ。何を言ってるんだという、こういう話ですよね。

山田:外から見ていた我々は、もう当然メルトダウンだろうと思っていたのに、親はやっぱりメルトダウンと思いたくないから…というふうに遣って来た…。

岩上:そうすると、ある程度東電が嫌がることも遣らないとけないわけですよ。そういう事を可能にする権利は、どうすれば可能か、となってくるんですけれど…。
 有る程度東電が嫌がっても、イヤイヤこれは始末を付ける為に遣らなければいけないんだよと言って…

山田:それが私が申し上げている、東電から離れた国家プロジェクトでないといけないと、言っているので、利害関係は東電から完全に独立させて、事故収束だけを課題にした組織ということでないと、それは出来ないと…

岩上:東電の利害だけでなく、これが先ほど言っていたように全国の技術者を集めてしまっている、全国のベテラン労働者を集めてしまっているということを考えたならば、他の電力会社にも非常に大きな利害の問題があるわけじゃないですか、そこに関わるような話になると東電だけの話では無くなってきますよね!
 どの電力会社も原発止めることに抵抗に抵抗を重ねているわけですから、まず収束させなければいけないということと、でも全体として原発どうすんのということと、切り離してというけれど、本当に切り離せるのかということに今なっているんですね…。

山田:そこからの議論はもう大きな議論ですね。

岩上:でも実際には最適配分ということを考えると、この戦争を全体として継続するのか、原発を続けていくというのは、軍隊を持って、原発を稼働させて行くことが大戦争ですよね!オペレーションを続行するということなんですよね!

山田:だからそういう原発の賛成・反対という議論は、そういうことをキチッと遣ってみて、遣ってみたことが、どれだけのことなのかということを見ながら、議論しなければいけないということですね。

岩上:お話し聞けば聞くほど、そこは国家が入って行かなければならないんですけれども、国家というと、じゃ担当は?経産省ね!という話になったりとか、経産省が凄い狭い視野でですね、イヤこれまで続けてきたんだから、これからも続けていきたいということで汲汲としている。その程度の事しか考えられない役所ですよ。(それは権力はということですよね)
 でも、そこを管理していく権力と考えたら、やっぱり現実に指揮をするのは権力ですから、どういう権力ならそれが可能か、になるんですけれど。

山田:なって答えればいいのか!

岩上:経産省如きに出来るのかと、どうしてもやはり思うわけですよ!

山田:そういう意味でいったらですね、私が今申し上げた、これは今後政府に提案していくこのと、多分、大骨子になると思うんですけれど、「そんなこと出来っこないじゃないか」と「実現不可能だよ」ということが本当かも知れないけれど、極めて現実的に考えると、だけど、そこの処へ突っ込まない限り答えが無いでしょ。

岩上:でないと、小手先の、あと一年半で収束しますよと嘘を並べ立てて、冷温停止になるとか、そっから先は何もしなくてもいいよと(なんか皆さん1年後に帰れるようなことを…)嘘ばっかり、その嘘を、一年経ってから「イヤ何も出来てません」またその繰り返し、何年も年々もダラダラ続けて、で、何処かで非常に大きなリスクを抱え込んでしまって、引き延ばし引き延ばしにして、何かドーンと起きたら本当に終わりになってしまうという、バカみたいな話ですよね!

山田:だから、何とかして、その理想型に、本当の理想型は出来ないだろう、或いは実現するのに手間が掛かるのかも知れないし、けれどもそれに近付こうと、いう事を兎も角も遣り続けるということが、多分我々の課題、現実的な課題なんだというふうに思います

岩上:だから、それを考えているような簡単な事じゃ無いよと、いうような発言を、妥協せずに言って頂けたらいいなーと!
 この間の記者会見で、なんかとっても東電の人達が頑張っているのに感心したという声が多かったので…。
 それはそうでしょうよと、兵士は何時でも頑張っているんですよ。兵士が傷ついて頑張っている姿見て、この全体のプロジェクトの遂行が、ですね上手くいっているのかと思いますのは、まー、典型的な第二次大戦の物語と同じ様にですね…

山田:我々5人で現場に行ったわけですけれども、物事何でも、誰でもそうなんですが、現場に近付けば近づく程視野が狭くなるんですね(近視眼的になり易い、それありますね)それはそうですよ!だから、一旦現場に入って、目が狭くなって、私が今申し上げた事に至る前に、フーッと近視眼的になっちゃって、もう一遍今戻って来ているところ(じゃーもうチョット延ばした方がよかったのかも知れない(笑))

 私自身が現場に行って、次の、今日申し上げたような粗筋を考えるのに、やっぱり可成りの体力を必要としました。
 14日の日に多分3人喋ったけれども、私と他の二人とはかなりニュアンスは違ったと思います。
 あれは私が引っ張り戻したんですよ。引っ張り戻すのに可成り苦労した。(お二人は素朴に素晴らしいということだったとだったと思います。)印象としてはその通りなんです。そっから、今こうやって戻って来ている最中なんございまして…
 それは皆さん支えて呉れているから、そういうとこへ戻ってこれるということで、現場へ行ったら、やかりどーしても、そういう風に一旦はなる、必ずなるというのは理解して頂きたいと思います。

岩上:勿論、勿論。
 その現場感をお伝え頂くことが重要なんだろうと思います。

山田:敢えて、私はそういう風に心配されるだろうということは、かなり承知して、その<ありの侭の>実態を見せて、ということでがあります。そっから、もう一遍戻すと…

岩上:丁度いい具合に一週間頭を冷やす時間もあって、冷静になってみて、
でも、今言ったように、よくよく全体を見渡すと、これは大変な事だと、やっぱり国家という権力でやるしかないのは、これは間違いない?(ハイ)、
じゃー、国家の権力とはと、考えた時にですね、今の現実に政権を担当し指揮をしているのは菅政権です。で、この菅政権の有り様というものが非常に重要になってくるだろうと。
 
 お会いしているのは細野さん、細野さんの個人的な決断も皆さんを引き込むことに一役買ったのではないかなーと、いうような気がするんですね。
 で、細野さんが原発担当大臣に任命しているのは菅さんですね。ところがその菅さんの脱原発論ということを打ち出した。あるいは、その前には再生可能エネルギー促進法案を国会でやるぞーと、という風にジリジリと脱原発の方向に向かって発言をし、と同時にあっちこっちから菅降ろしの声が上がって、引きずり下ろそうとしている。
 菅さん自身も言っていることの真意が見えない、脱原発だーと言って記者会見をこのあいだしました。直ぐ後に閣僚から「あーだ、こーだ」言われて、個人的な考えだったとボロッと言ってしまう。個人的考えじゃ内閣としての政策にならないじゃないか、しかも内閣の大臣から言われて「俺の内閣なんだから、俺が任命した大臣なんだから言うこと聞くんだよ」と言わなければいけない立場なのに、これは困ったな!と思うわけですよ。
 こういう内閣の中で、そういう権力というものを構成することが出来るだろうかとおもうんですね!どういう風にお考えですか?
 
山田:そこんところは私も正直、どれだけの一人一人の大臣だったり国会議員だったりができるのかよく分かりませんけれど、そういう意味で、一点攻略だけではなくて、色んな方々と接触しながら、色んなチャネルで働きかけをしています。これは申し訳ございませんが、政治の機微に関わることなので…(お話し出来ない部分もあると)ハイ

岩上:じゃー、搦め手からまた別の質問をして、なんとなくそのー(笑)

山田:いま牧山先生が非常に力出して下すって、(毎回院内集会をやる時は、その牧山さんが主催?)主催者です。
院内集会をやる時は、牧山先生が会場を用意して下すって、人も用意して下すって、我々それに乗せて頂いて…

岩上:牧山さんの話を幾つか聞きたいと思うんですけれど、牧山さんという方はどんな方ですか?どんな考え方の先生でいらっしゃるのですか?

山田:私は牧山先生のご本人を知らなかったのですが、実は我々の行動隊に参加して下さっている方の応援者だと思いますけれども、その方が横浜の出身で、その方が牧山先生の応援者で、その紹介でお会いして、その時から牧山先生が応援するぞということで急遽乗って下すったという事以外のことは、わたしは全く存じ上げない。牧山さんがこれまでどういう主張をしてきて、どういうことを遣ってこられたのかということも、ボチボチ聴いてはいますが、あまり良く知らないということで、大変有り難いことで!

岩上:皆さんの志には非常に共感されて力なろうというふうに、手を貸して下さっている方ということですかね。(ハイ)

山田:色々な批判も受けておられるようですし、(そうですか)ハイ。そういう意味じゃ大変なご苦労をされていらっしゃいます。

岩上:あの、世の中というものは本当にややこしいものでね。
 あの、前回インタビューに来た時には、皆さんが打ち上げていることは一つのファンタジーにしか聞こえないと、いうようなね、空気がまだまだ大勢を占めている処で、じゃーそのファンタジーならファンタジーでその夢、その志に非常に共感する私としては実現に向けて、一言でも二言でも、後押しするような事を言ってあげたりしたらいいなという風に正直思いました。
 
 で、順調に来て、まさかという感じでですね、政府の方も積極的に招き入れるような形になってですね、皆さんの視察が出来るように手配をしたりとか、する中でですね、
 今度はですね、世の中というのは色々意地悪な見方や屈折する見方をするもので、今度の政権側にとってですね、何か遣っているよと、色んな事を遣っているよと、人気の取れる政策の、その内の一つとしてですね、山田さん達の行動を上手いこと利用していると、実質的にはどうか分かんないけれど、一時的な人気や活劇の為にチョットいいんじゃないかと、アクセサリー的に遣っているんじゃないかと、こういう意地悪な事を言う人も世の中いるわけですよ。
 利用されるだけでも、イメージ上だけの利用だけで終わってしまったら、あまり宜しくないかなと、勿論皆さんお仕事するための本当の意味で利用されていると、成果を本当に上げられたら、利用されても本望と…
 
山田:仰る通りで、これも先ほど申し上げたことにも繋がるんですけれども、現場に近付けば近づく程、初心を忘れると、言うことがあるわけですね!だから動きが出れば出る程その動きに脚を掬われるというのは誰でもそうです。だから、我々この間、議論を物凄くした一つは、もう一遍初心に返るということは何かということを、それこそ最初の呼び掛け文を読み返して、それから立脚点を何処に置くからどういう提案をつくるかというふうな議論を可成り永遠とやりました。その岩上さんが仰るような意味で、益々これからその事が必要になってくる。そうしないと本当に流れに流されるだけで、何をしているのか分からなくなるということが、多分に危険なこととしてありますね!この処は特に言い出しっぺの私が踏ん張ってないと、組織的になればなる程怖い。

岩上:そうですよね。僕、さっきから戦争の喩えでね、第二の戦端開かれた時にどうするんだと…、そんな事考えなくてもいいのにと、言われ兼ねない事を繰り返し言ったのは、それは基本的に兵力とかマンパワーの問題で、マンパワーに余剰を作るということが、そもそも使命だったんじゃないの?というところで皆さんが、そしてその中心になるのは現役世代で、本当の専業の人達ですよ。だけれども、その人達に余力を残させて置く為にベテランが、入っていて若い人を助けると、(少しでも被曝を減らすと)恐らくこれは長期に渡ると、一年半だったらそりゃ今一気に被曝してもいいだろうと、5年度どころか、10年とか20年とかっていったら、そりゃ積算の被曝量は大変なものになるので、投員される人員は物凄く増えるから、だから兵力は絶対的に足りなくなる、そして第二戦線なんてことが起きたらもうアウト、ということは、微力ながらこういうような遣り方で兵力の余地と言いますか余剰といいますか、そういうものをチャンと確保しようよと、いうことが運動の趣旨なんじゃないかなと思いますが、(仰るとおりです)
 ご年配の方はそんなに沢山は動員できない、実質的には、でも100人、200人、1000人が呼び水になって、働き盛りの他の人員をもっと入って来れるようにする、それには明確な労働環境があるとか、保証があるとか、そういう事があれば志願兵も増えてくる分けですから、その先鞭になると言うことですよね!

山田:あの、そういう大枠がそういう風にあって、それに関してもう一つ我々最近議論している処なんですが、今の原発の現場で作業しておられる方というのは、言うなら兵隊で言うと傭兵なんですね。我々は傭兵に対して志願兵だと、この志願兵であると言うことの意味というのを、もっと大事にすべきじゃないかと、だから年齢に拘わらず、傭兵から志願兵へと変わって行くことによって本当にキチッとしたモラルも高まるし、作業をさせる側からも姿勢が変わると、そういう事がもう一つの大事なことじゃないかなと、ちょっと抽象的ですけれどね、大事な事じゃないかなと…

岩上:あの志願兵を扱うというのは、志願兵に対するリスペクトも無くてはいけないと

山田:そうなんだよ!それは非常に大事なこと。志願兵からリスペクトされるような指揮官で無い限り受け入れられないということですね。

岩上:使う側も志願兵に対して敬意を払い、そこに来て下さったというような思いで接し、当然そこで傷付く、被曝をする、そういった事に対する健康管理に全力を尽くすということ(そうそう)或いは保証だって全力を尽くすと。
 労災が降りる降りないと言ったら徹底的にケチって出来るだけ適用されないようにしてあるとか、そういうような姿勢で人が来るわけがないですよね、恐らく志願兵が来てくれなかったらこの戦争は遂行できないんだと思うんですよね(そうなんですね、だと思います。)この戦争は終わらないんだと思うんですよね。そんな事見通せよ!といいたいですよね。どう考えたって10年、20年掛かるわけですから。

山田:だから岩上さん仰るように、志願兵を使うということは非常に大変な事なんですよ。
だから傭兵を使い慣れた人には志願兵は使えない、はっきり言って。

岩上:全然、愛とか尊敬の念が、東電の会見見れば分かりますけど、そこら辺の労働者の人達に対してもう名無しの「ゴンべ」で扱って全然構わないという姿勢が貫かれているんですよね。

山田:ん~、まあのー、そういう積もりで無くても、そういうふうになってしまうということですよね。
だから、一人一人の顔が見えるというのが…

岩上:重要ですよ。志願兵は物を言いますから、当然のことながら俺たちがどんな被曝をするのか、システムを教えろと、やっぱり言うでしょ!

山田:そこのところがもう一つのキーポイントかなーと。

岩上:これが非常に長期に渡り、且つ原発政策を続けて行かなくても、例えば今瞬間に脱原発遣っても後始末が50年掛かるということで、とんでもないですよね。(そうなんですよ)
 これ、とんでもないことで、止めても直ぐ冷えるわけではないですし、オペレーションして行かなければならないわけでしょ!何処かで何かの事故があるかもしれないと…。
 更にまた、やる気満々となったら、どれだけこれから先マンパワー的なリスクを負うのかということですよね!
 今ここにあることだって解決付かないだよと、チェルノブイリ何十万でしたっけ!?レクビダートルというのは?(70万人、80万人とう話もありますからね)今も、あそこ3000人が働いているんですよ。墓守みたいなもんでしょ!墓守に3000人ですよ!

山田:だから、今の福島原発で2500人ぐらい働いていると聞きましたけれど…

岩上:ええ、少なすぎますよね、本当だったら日本だったらチェルノブイリ以上に手間が掛かるんで、放射性物質の放出量だったら下回るかもしれないけれど、実際には幾つもの炉がある。

山田:遣るべき事が、そういう意味で言ったらですよ!
まだまだ、沢山あるわけですね!それこそ、瓦礫の処理だって遣り出したらきりがない程残っているわけですから、そういうのを全部手を付けるとしたら、もう今の人数ではとても遣れないともいます。ところが、それ以上の人数を投入できないでしょう。今のJビレッジの様子、或いは先ほどの免震重要棟のスペースから考えて…
 取り敢えず人間を通すと、チェックして、除染をして、着替えして、帰すというその入口出口がもう風呂場になっちゃている訳で、今のスピードでは多分できない。

岩上:そこの戦地へ赴く志高い志願兵がいて、それに対して敬意を持って送り出したい。それを必ずケアするんだと、国が面倒見るんだと、国民も挙げて…、なんか愛国心を鼓舞してるような感じでもありますけれど、愛国心というより、あの原発を支持する気は無いんでもう止めて貰いと思うんでけど、この事故を始末しないと、見えない、開けないんでね、福島の未来も日本の未来も開けないと思うんです。
 もう終わったかの宣伝は止めるべきですよ。そういう宣伝をしている政府というのが全く信用できないんですね!

山田:その点だけは、菅さんが来年にも帰れるようなことを一所懸命言っているのはチョット…

岩上:東電に対しても、経産省に対しても、保安院に対してもですね、是非山田さんの立場から…

山田:20㎞以内の除洗をするということだけ考えたって(出来る訳ない)。しかも、放出が完全に止まっての話を…

岩上:でも肝心要の放出元の燃料が何処に行ったか分からなくて回収も出来ないと、出るに決まっているじゃないですか!

山田:全部覆いをするといっていますけれど、これが何処までどういう風にできるのか、訳分からないし(何十年も何十年もかかるんですよね、陰々滅々とした戦いの…)
もうチョット厳しいことをしっかり言って貰った方がいいですねー。

岩上:今日は山田さんは温厚にお話し下さって頂いて、志は非常に高くて、ある意味過激な部分もあるんですけど、でも苛立ち覚えませんか?

山田:苛立ったら、そういう意味じゃ、ズッと苛立ちですけれども-、それ前に出しちゃった途端に全て壊れますからね!

岩上:やっぱり仕事を長期に渡って大きなプラントを造ったり運営するというのは、何処かで目の前の大変さを、苛立ちを抑えて、長期に渡って辛抱しながら組み上げていくという、しかも一人じゃ無くて、多くの人と共同しながら、こういうところがそいう忍耐心の元なんですかね!

山田:やっぱり、大勢と人と、ある意味じゃ利害も対立する中で、仕事をなんとか正常にしなければいけないということでしょう。自分の思いを達成するのは*********
これが歳を取らなければ出来ないということなんじゃないでしょうか。

岩上:なーるほど!シニアが必要な訳!
 そうなんですよーねぇ!ついつい短気に走りがちなので、勉強させて頂きました。
(すいませーん)イヤイヤ、大事なことだと思います。我々、山田さんとお会いして、多くの人が感動したという風なことがあると思うんですけれど、志に感動すると、生きるということはどういうことか、生きることの意味みたいなものも教えられたという人も沢山居たと思いますが、と同時に、まだまだ現役として一つの大事を成そう、事業を成そうという時には辛抱が大切なんだ、多くの人と手を結び合っていくのが大事なんだ。短気を起こしてはダメなんだと、苛立ちを見せたらダメなんだと、それを見せたら負けだと!いうことは、これは学ぶというか、これは大変ある意味では…

山田:そこでさっき岩上さんが仰っていた、初心を忘れちゃうと駄目だと…

岩上:甘くなっては困ります。その時はまた僕が文句言いに来ると(笑)、それは僕の仕事ですから。
 また余計なことを言いに参りたいと思います。

 あのー、色々とこれからも情報を得られて、そして何らかの形で一般の国民の皆さんにですね、開示していくというお仕事して頂けるものと思ってますんで、今日はチョット資料が無いと言うことでしたけれども、是非それらも見せて下さい。

 皆さんの目と言うものがとても大切だと思っていますし、そういう目を通じて、一旦はとても信用ならんと思った東電、或いは政府をですね、少しは信用してもいいかなという気持ちに変わって行くこと、それだったら国を思う気持ちも社会を思う気持ちも人を思う気持ちあるんだから、僕も志願兵になろうと思う若者、或いは中年、高齢者も含めて出て来てもいいんですよね!甘くなるのとはチョット違うんですけれど、でも厳しい目で彼らを見つめながらも、信頼感が若し築けるようだったら、何十万という志願兵が集まる現実というのがあるかもしれないと、それはソ連では行われたわけですよ。勿論ソ連というのはある程度の全体主義体制の中でできたことであるとで、曲がりなりにも民主主義ですけれど、もうボロボロの民主主義の日本で、しかしもう一度信頼が回復されて出来るんだったら、それはちょっと素敵なことなんじゃないかと(若しかして)若しかしてですけどね!
 
山田:だから我々が今遣ろうとしていることが、これが必ず出来ることだという目で見たら、やっぱりそれはチョット違うと、「若しかしたら」出来る事を遣っているに過ぎないのだということを自覚しながら、且つ諦めないで…

岩上:だから10年や20年で収束するとは思いませんよ!だから、10年や20年で収束しないという前提に立って…
 若者は今は逃げろと、そして子供を成して、それからにしてくれと、といことで若しかしたらズーッと後に、今の若者が、僕らや山田さんの歳に近くなってきた時に、じゃーお勤め果たしに行こうかぐらいの感じになったらいいなと…

山田:そう意味で、我々このプロジェクトを遣っていく中で、それこそもう一つの目標として組織の中の民主主義みたいなものをどういうふうに作って行くかということも、試しじゃないかと…

岩上:民主主義というのは、ベースに情報の公開があるのですからね、

山田:情報の公開があり且つ、一人一人が自分の思いで行動し、且つその中で共通の課題を見つけて行くという、そういうその、泥臭い、或いは、手間の掛かる事だと思います。それをしっかり遣って行きたいというふうに思っています。

岩上:分かりました。お疲れの処、長時間有り難うございました。