細川佳代子/問題を先送りしないことが最重要

 

略歴:会社員。今春(注:2011年春)から畑に出る時間を多くと期していた折の原発事故。以前から反対署名等は行っていましたが、もっと学んで行動しておればと猛省。専門的知識も能力もありませんが、陳情等、できる事だけでも行いながら、行動隊や各地で活動されているかたがたを応援したいと考えています。子供達そして原発に何の責任もない動物達にとって、少しでも良い社会に変えていきたいです。

これをお読み下さっているのは、福島原発の問題を出来るだけ速やかに収束させたい、そして福島以外の原発の再稼働や新たな原発など「バカも休み休み言え」、そのようにお考えのかたがたが殆どだと思います。しかし我が国の現状を見ると、「脱原発」は未だ方向性としてすら確実にはなってはいません。
浜岡原発停止要請直後から猛烈な与野党相乗りの「菅降ろし」が吹き荒れ、「菅さんでは進まない」「菅さんには協力できない」、声高な総理批判が繰り返し報道されて、国民の大半も「菅はダメ」と思い込むに至っているかのようです。けれど、では一体菅総理以外の誰がこの国を「脱原発」の軌道にのせてくれるというのでしょう。
もちろん、誰あろう「私達国民が」立ち上がり声をあげて政府を動かして行かねばなりません。実際、ネット上などで多くの人達がそれぞれの考えを発信したり連帯を試みたりしており、その中に、例えば「原発をどうするか国民投票で決めよう」というものがありますが、現在ある原発についての選択肢(案)は、次の二つのみです。
□運転、稼働を認める
□段階的に閉鎖していき、2022年までにすべて閉鎖する
これ以外でも「段階的」(閉鎖・停止)との言葉をむしろ「即時」より多く目や耳にしますが、納得できず、この場をお借りし、原発不要のメッセージ(訴え)としたいと思います。
①「段階的」ではなく「即時」廃止を。
原発を全て止めると電力が不足し弱者の生活を直撃するかのような情報が垂れ流されていますが、大口需用者にピーク時の僅かな使用制限を課すだけで乗り越えられます。「今すぐ全てやめるのは現実的ではない」? この期に及んで即刻全廃しない当事国など、そのほうがよほど非現実的だと思います。
②将来のエネルギー構想と原発停止とは、ひとまず分けて考えるべき。
原発停止で「代替エネルギーは?」「CO2削減は?」の声をよく聞きます。そもそも、①で書いた通り代替エネルギーを待つまでもなく電力は概ね足りており、又原発がクリーンというのも大嘘ですが、将来的に化石燃料からの脱却を目指すとしても、再生可能エネルギー推進と脱原発、電力自由化と脱原発、まるで表裏一対のセットのように捉えてしまっては、原発停止が先延ばしされるだけです。
今、してはいけない事は、問題の<先送り>です。行動隊の皆さんが、起こってしまった事故を、もうこれ以上放置させておくまいと立ち上がられたように、脱原発をあいまいに先送りさせずに即刻実現させるべく考え行動する、それが大変重要だと感じています。

(2011年8月4日 長野県 細川佳代子)