FMラジオ J-WAVE(81.3チャネル)のJAM THE WORLに山田が出演しました(文字おこし追加)

5月30日20時55分ごろから、20分程度のスタジオ生出演です。

配信エリアの方は以下のページからPCでラジオを聞くことが可能です
http://radiko.jp/timetable/

以下、文字おこししたものです。
文字おこし:平井吉夫

J-WAVE JAM THE WORLD 「15MINUTS」
On Air DATE 2011/05/30
テーマ「福島原発暴発阻止行動プロジェクト」
NAVIGATOR:高瀬毅
REPORTOR:松島初音
GUEST:山田恭暉(プロジェクト発起人)

松島「福島第一原発事故の復旧作業が長引く中、このまま行くと作業員が不足する事態がでてくるのではないか、という懸念が出ています。厚生労働省もその可能性は高いと見ているようで、新に従事できる作業員を養成する仕組みを作るよう経済産業省に求めているようなんですね。人材の育成にはある程度の時間が必要だと思うのですが、そんな中、若者にリスクは負わせられないと、60歳以上の元技術者などで結成された原発決死隊こと、福島原発暴発阻止行動隊に大きな注目が集まっています。そこで今夜はこのプロジェクトの呼びかけ人であります山田恭暉さんをお招きして、じっくりとお話を伺いたいと思います。山田さんこんばんは。よろしくお願いします。」
山田「よろしくお願いします。」
松島「さて、山田さんは現在72歳。東京大学工学部を卒業後、住友金属工業でプラント建設などを手がけてきました。元エリートエンジニアでいらっしゃいますが、最初どのような思いで自分達が立ち上がろうと思われたんでしょうか。」
山田「地震の直後、原発の冷却系がダウンしたというニュースは、かなり早くから伝わっておりましたが、我々元技術屋はこれを見て、これは大変な現場作業が必要になるということをすぐに感じました。高齢者はそういう中でも被曝の影響は少ないということは、よくみなさんご存知の通りでございますし、あるいは被曝したとしても癌が発生するまで時間がかかるわけで、それまで生きている可能性は若い人よりは少ないということから、順番としては高齢者から先に仕事に入るの望ましいというのは、話してる中で当たり前のこととして出てきたということです。」
高瀬「これは何人かでお話になったんですか?」
山田「ええ、特にグループでというわけじゃないんですが、私の昔からの友達、仲間で話をしてて、そういうような結論がひとりでに出てきたというふうに言えると思います。」
高瀬「やっぱり何かしたいという気持ちの方がいらっしゃったということですね?」
山田「何かしたいというより、この原発事故の技術的な内容を議論しているうちに、こうするのが当たり前じゃないかと。理屈で言うとこうだよね、というのが出てきたにすぎません。何かしたいと、そんなに意欲に燃えてるわけでも別にございませんし。」
高瀬「ごく自然に話の中からと。ただ4月上旬から呼びかけを行ったそうなんですけども、どんな条件があるんですか?いっしょに行動隊として動くという方々には。」
山田「あまり厳密なことを考えたわけではなくて、こういう考え方で現場の仕事をやる人が組織された方がいいね、ということを呼びかける象徴としてのメンバーということで考えましたので、高齢者とは何か、60歳以上にひとまずしておけば高齢者になるねということで60歳にしただけで、医学的な根拠とかを別に考えたわけではございません。」
高瀬「じゃあ条件として一応60歳以上の方と。あと何か技術を持っているとかの条件はあるんですか?」
山田「できるだけ技能者であること、現場で仕事ができることが望ましいですから、技術なり技能なりを持っていることが望ましいということは言っていますが、現場の仕事というのはいろんな仕事があるわけですから、別に技能者、技術者だけが仕事をするということでは決してないと。出番の多い少ないはいろいろあるでしょうけど、様々な人がいていいということで、女性も含めいろんな方がおられます。」
高瀬「具体的にはどんな職業の方でしょうか?」
山田「私の手元のリストの中で、資格とか免許とか肩書きとかで言うと、クレーンの運転手、これは天井クレーンや移動クレーンなど様々なクレーンがあります。それからフォークリフトを運転する、ブルドーザーを運転できる人、溶接工、配管工、建屋を造ってきた鳶職、これは福島原発の建屋を造った方がおられます。それから現場で保全の関係をやっていた方もおられます。それから調理人もいます。これは現場の宿舎でちゃんとした飯を食わせたいと言って応募してこられました。そういう意味で、ありとあらゆる職種の方がおられます。もちろん元大学教授、大学名誉教授も、東大名誉教授もおられますし。」
高瀬「女性の方もいらっしゃると。この方はどんな方なんですか、仕事としては。」
山田「どんな方というのは言い方がむつかしいですが、やっていただくとしたら例えば現場での記録だとか写真の撮影とか、こういうのは必ず必要だと思いますから。出番が多いかどうかは別にして、何らかの仕事をやっていただくこともあり得ると考えています。」
松島「いろんな職業の方が集まられていると思うんですけれども、現在の参加者の方はどれくらいの人数が集まられているんですか?」
山田「ここ数日間仕事が忙しくて統計がちゃんと取れてないんですが、昨日ぐらいのところで240人が参加者、それから応援しようという方が960人は超えて、多分980くらいになってると思います。」
高瀬「ほー、すごい数ですね、これは。」
山田「多いというか少ないというか、1億2千万人の中のたかだか1200人という言い方もできるわけですが。」
高瀬「いやしかし現場が現場なだけにですね。で、呼びかけられてこれだけ集まるというふうには思っていらっしゃったんですか?」
山田「いや、正直、思っていませんでした。私が直接呼びかけた人は2500人くらいでして、それから先は私が呼びかけた方が自分でWebを立ち上げて宣伝したり、あるいは何百人に、俺は千人に撒いたよという方もおられましたから、そういう方で子供、孫、曾孫ができてるんだろうと思います。」
高瀬「山田さんご自身はどんなことを考えて? なんとかこれを止めなきゃいかんという一心で、ということですか?」
山田「まあ止めなかったら大変ですね。今、小康を保っているという言い方をされる方もいらっしゃいますし、それなりに治まってきていると言う方もおられますけれども、それでも一定の危険を持っているわけで、このリスクがどのくらいあるかはともかくとして、ひどいことになるのを防ぐということはどうしても必要ですし、冷却を何年という期間にわたって続けることはどうしても避けられない、というか必要なことであるというふうに思います。」
高瀬「しかしこれは東京電力の持ち物として、あそこが運転したと。で、今懸命に作業はやってるわけですが、東京電力に任せておくということは?」
山田「東京電力は本質的にはオペレーションの会社、運転をする会社ですから、故障を直す会社では本質的にはないというふうに私は思います。そういう意味で、ちょっと東電だけにこの仕事を押し付けているというのは過酷だなと私は思います。」
高瀬「ということは、今のまま東京電力の関係の人、下請けもいろいろあるわけですが、そういうふうな構造の中で今の作業をやってるという、これはなかなか無理があるというか厳しい状況という感じですか?」
山田「と、思いますね。これは私から言い出したことではなくて、チェルノブイリの収束の責任者だった方がニューヨーク・タイムスに随分早い時期に書いておりましたけれども、第三者機関がやるのが一番いいということを言っておられました。」
高瀬「要するに技術者集団を沢山作って、プロジェクトチームを立ち上げて、そこが行くというのが本来はいいかもしれないということですね。」
山田「はい。よく私は例えとして言っているんですが、自分の子供を治療できる医者はいないと。この原発というのは東電にとっては自分の子供であるわけですから、それを治す医者にそのままなれよ、と言うのはかわいそうだというふうに思います。」
松島「さて、海外メディアに取り上げられるなど、大きな反響を呼んでいる福島原発暴発阻止行動隊ですが、一番気になるのは今後のことです。そのあたりについては、引き続き山田さんに伺っていきます。」

前半終了-

松島「J-WAVE JAM THE WORLD 15MINUTS。今夜は60歳以上の元技術者などで結成された、福島原発暴発阻止行動隊の呼びかけ人、山田恭暉さんをお招きし、お話を伺っています。山田さん、引き続きよろしくお願いします。」
山田「よろしくお願いします。」
高瀬「この福島第一原発、なかなか収束の見通しが立たないんですが、山田さんから見て、どんなふうに見えますか?」
山田「まあ、難しい仕事であることは間違いないと思います。やはり初めから最悪のシナリオをきちっと書いて処理をするということが必要なんだと思いますが、そういうふうな仕事をする体制が上手く組めたかどうかについてはちょっと問題があるかな、というふうには思います。やはり東電さんが全責任をもってやっているというのは、大変つらいことだろうと私は思います。」
高瀬「まあ本当に最悪の事態は、どこまでを最悪の事態と言うのか、ということもあるでしょうけどね。その想定、とにかく何かが起きたらそれを必死になって、止めて、止めて、というような状況が続いてきているような感じですよね。」
山田「はたから見ているといろんなことが言えるでしょうけど、やっぱり現場でやっておられる吉田所長なんかは本当に大変なご苦労をなさっていらっしゃると思いますね。」
高瀬「そのへんがだんだん見えてきている感じはあるんですけど、どこかでこの流れを押し返して、収束に向けて攻めて行くんだ、というようなところが、やっぱ必要なんだと思いますね。」
山田「まあ、それでも、最初のころにちょっともたついた感じがあったにしろ、今はそれなりに核心に入っている、というふうに思いますから、かなりいい方向には行っているのではないでしょうか。」
松島「今後、この福島原発暴発阻止行動隊を国家プロジェクトにしていきたいということですが、そうするために現在はどんな行動を考えていらっしゃいますか?」
山田「国家プロジェクトというより、国家的プロジェクトと言ったほうが良いのではないかと思ってますけど。国が主導するというよりは、国がサポートするプロジェクト、というふうなことなんだろうと思ってます。そういう意味で、これがどういう形を取るかというのは、具体的なことは今後国と我々と東電さんとで考えていかないといけないと思います。このへんのことを考えようよ、ということを政府や東電さんに申し入れをしているところでございます。」
高瀬「それで、政府や東電はどんな対応をしていますか?」
山田「それなりに前向きに検討をしよう、というところに来ていると、私どもは理解しております。実際に我々も政府の要人ともお話をしております。
高瀬「ほうほう。もうお会いして? そして具体的な話まで?」
山田「具体的とまではまだ行きませんが、こんな方向で考えようよ、というご提案は、直接私どもからさせてもらってます。」
高瀬「ほー、じゃあ、会ったということは、つまり向こう側としては、政府、東電側としては、なんらかの形で力を借りたいと思っていると見ていい?」
山田「私どもに会わないと困ることは特別にあるわけではございませんから、必要だとお思いになったから、お会いいただいたんだというふうに私は理解しております。」
高瀬「ということは、もう少し考えていくと、今作業にいろんな方がかかわってやっていらっしゃいますけど、長期にわたってきて、相当現場がきつくなっているというふうに言っていいんでしょうかね?」
山田「現場もきつくなっているでしょうし、体制も改めて作り直さなければいけない、というふうなことにもなってきているんじゃないか、とも思います。」
高瀬「そうすると、じゃあ、どういうふうにして、国家的プロジェクトにしていくか、具体的にもう少し形を見せていかなければいけないと思いますが?」
山田「これは、我々が作るというよりも、先ほど申しましたように、政府、あるいは国家の力をフルに使わないとできることじゃないと思う。我々のような、ある意味じゃ素人が一生懸命考えてもしょうがないので、官僚の能力を最大限使っていくことも含めて、国全体の力で作り上げていく、ということがどうしても必要だと思います。」
高瀬「先ほどのお話だと、240人くらいというお話だったですけど、例えばそれを一つのチームとして作っていくような?」
山田「リクルートを考えても、数百人なんていう数の人間じゃとても足りないわけで、何千人の人間が必要になるわけですね。ですからリクルートそのものでも、国の機構、あるいは地方自治体の機構をフルに使って人を集めて、かつ集めた人をきっちり調べ、ちゃんとしたトレーニングをし、というふうなことをやり、さらに作業した後も健康のフォローアップも全部していかなければならない。何年にもわたる仕事になりますから、これを小さな組織でやることはとうていできない。それだけのことをやれる国の機構、あるいは国がサポートした機構を作っていかないと、とてもできることじゃない。」
高瀬「なるほどね。まあ、非常にお気持ちはわかかるんですが、ご家族もおありだと思うんですけど、ご家族はなんとおっしゃっているのですか?」
山田「まあ、私のまわりにいる人間は、私が最初から考えていることをずっと言い続けていますから、まあこれは`当たり前だ、`しょうがない、というふうに考えているでしょうし、それぞれ二百何十人の方々のご家族は、それぞれの想いで、それぞれ言っておられる。ある方の奥様が私のところへ電話をかけてこられて、夫がこれに`登録した、応募した、ということを誇りに思っています、とおっしゃってくれたこともあります。」
高瀬「ほぉ。東京消防庁の方が放水の時に行かれましたが、やっぱり奥様が送り出したという方がいらっしゃいましたけど、これにはいろんな想いがあると思うんですよ。原発をとにかく止めなきゃいけないということ、それから長い、もっと大きな目で見れば、日本という国そのものの存在が相当脅かされている。まあ、古い言葉かもしれませんが、憂国の士という言葉がありますが、そのへんはどうですか?」
山田「私自身はそんなに立派なことを考えてやっているわけではございませんが、そういう想いでやっておられる方もおられます。あるいは義侠心だとおっしゃった方もいますし、人類のため、世界のため、とおっしゃっている方もおられます。それぞれ二百数十人の方が、あるいは応援されている千何百人の方が、もっと言えばこれに賛成されない方も含めて、いろんな想いで、それぞれが一人ひとりが違う想いで、この私の呼びかけに応えられ、プラスの意味もマイナスの意味も含めて応えられている。このことが大切なんだというふうに思っています。」
松島「最後に、我々が山田さんに協力できることはないでしょうか?」
山田「この問題は国を挙げて、議論を皆さんでしていただくことだと考えてます。そういう意味で状況を適時、報道していただきたい、広めていただきたいし、さきほどちょっと申しましたように、これに賛同しないという意見を含めて広くいろんな方々のご意見を、いろんな想いを伝えていただけたらありがたい。そういうふうに思います。」
高瀬「一時期に比べてテレビ報道が少し減ったりしてはいますけどね、報道なんかがやっぱりきちんと、もっとしっかり伝えていくことが大事なんでしょうね。」
山田「はい、そうですね。これは私どもを持ち上げていただくだけではなくて、もっと違った意見も含めて報道していただけたらと思います。幸いなことに世界中で報道が流されています。イギリスとアメリカでテレビ放送されますし、そういうのもふまえて日本の国内でさらにいろんな形での報道をしていただけたら大変ありがたいと思います。」
松島「もっと詳しい情報を知りたい方は番組のホームページに福島原発暴発阻止行動隊のリンクを貼っておきますのでチェックしてみてください。山田さん、今日はありがとうございました。」