26日開催の参議院内閣委員会にて牧山議員が福島原発行動隊に係る質問をされました

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細野担当大臣は、「福島原発行動隊を受け入れる体制づくりをしたい」と回答し
ています。
以下は動画の文字起こしです。

松井委員長:ただいまから内閣委員会を開会いたします。委員の移動についてご報告致します。昨日までに金子洋一君および田城郁君が委員を辞任され、その補欠として斉藤嘉隆君および友近聡朗君が選任されました。

政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。内閣の重要政策および警察等に関する調査のため本日の委員会に理事会協議の通り政府参考人として、内閣府政策統括官、清水修君ほか4名の出席を求めその説明を聴取することにご異議ございませんか。(異議なし)。ご異議ないと認め、採用決定いたします。

内閣の重要政策および警察等に関する調査を議題とし、質疑を行います。質疑のある方は順次ご発言ねがいます。牧山ひろえ君。

 

牧山委員:民主党の牧山ひろえです。よろしくお願いいたします。本日は、福島原発事故という日本人だけではなくて、世界中の命がかかっており、また国際関係も左右しかねない問題について、東京電力一社に任せるのではなくて、国にが主体となって取り組んでいく国家プロジェクトにしなくていいのか、一つの民間企業に任せて本当にいいのかどうかについてご質問したいと思います。

7月19日、21日の役所とのレクの際に作業する人員は足りているのでしょうかという私の質問に対し、足りていますというお返事をいただきました。また工程表にある地下水の遮蔽壁の方式を検討するという部分については、現在地質調査を行っているということでしたが、本来であれば国が責任を持ってしっかりチェックすべきであることだと思います。あらゆる作業に共通していることですが、国は結局、東京電力からこういう報告を受けたと間接的に確認しているに過ぎないと思います。そもそも、東京電力に限らず、一般の企業は自らが行っていることに対し、評価したりチェックすることは大変難しいと思います。特に多くの会社が東京電力の下請け、孫請けであるので、そこから報告を受けた東京電力がさらに政府に行う報告に対して、細野原発事故担当大臣のチームがしっかりとチェックを行うべきだと思いますけれども、政府はその報告の真偽について、公益性を第一に考えている作業、チェック作業を実行しているのでしょうか。また、チーム内に東京電力からの報告を分析したり解析、検証できるスタッフが揃っているのでしょうか。

 

松井委員長:細野国務大臣。

 

細野大臣:ええあのう、牧山委員にはですね、日頃より東京電力の原発の問題について、多大なるいろんなアドアイスを頂いたりご協力を頂いておりまして、心より感謝申し上げたいと思います。

あの私の問題意識も牧山委員と全く同じでございまして、今回の事故をですね、東京電力という民間の企業が一社で解決しうるとは全く思っておりません。そういう思いもありましたものですから、第一ステップから第二ステップに移行する段階でロードマップを東京電力が発表するものとするのではなくて、政府の統合、政府も入っている統合対策室としてロードマップを発表するという、そういう形をとらせて頂きました。従いまして今の段階ではですね、もう状況は変わっておりまして、東京電力がやる作業を政府がサポートするというよりは、東京電力と政府が一体となってこの問題に対処していくというそういう体制を整えつつあると。完全に整ったとは申しませんが、整えつつあるという、そういう状況だと考えております。例えば一例、遮水壁の話ございましたが、これはですね、ロードマップで前倒しを致しました。これは政府の意志として前倒しを致しました。従いまして、国土交通省の方から土木の技官をですね直接プロジェクトに担当させておりまして、東京電力がやるというよりは、まさに政府としてそれに関与するというそういう体制になっております。ほかに例はこの答弁の中では差し控えさせて頂いておりますけれども、意識としては私もスタッフももちろん入っておりますが、保安院を始めとした原子力の専門家、かなり統合対策室の方に入り込んでですね、共同作業として政府として取り組んでいるということをご報告申し上げたいと思います。

 

松井委員長:牧山ひろえ君。

 

牧山委員:工程表にある廃スラッジの処理やすでに撤去された瓦礫、こんご撤去される瓦礫からはいずれも高濃度の放射性廃棄物が発生すると考えられます。この廃棄物は将来どのように保管、管理していく予定か訊いてみましたところ、今はまとめておいてある、将来的には建物に入れることも考えられるが、今現在具体的な計画はないとのことでしたが、放射性廃棄物の保管に関しては10年20年ばかりか100年単位の話だと思うんです。そうなるとこれだけ長いスパンの作業であり、採算のとれそうもない作業を一民間企業が責任をもって継続し続けられるものだろうかどうか、心配です。国でしっかりとやっていくべきものではないでしょうか。以上のように長期的な放射性廃棄物の保管や燃料の取り出しといったような100年200年にも及びかねないプロジェクトを一民間企業が負えるかどうかといのは本当に心配です。また、他の地域で同じ事故が起きた場合の危機管理まで一民間企業が負えるのかという問題もあります。今年は特に、老朽化し更新の時期を迎えた原発は全国にございます。現在福島に全国から人材が集中して応援に来ていますが、5年間の被爆線量が累計で100ミリシーベルトに達すると、最長で5年間働けなくなってしまい、人材不足になってしまいます。ですから、これらの人々をここで一気に被爆させてしまってはならないと思うのです。

以上の理由から、人材を管理・統括する全国的な仕組みがないと、放射線の上限値に達する人が増えて、作業員が不足してしまうという懸念を役所に伝えましたところ、被爆の情報は各個人が放射線管理手帳というものがあります。それを受け取っているので、警告もちゃんとやっている。会社内でも独自に放射線の上限値を設定しているところもある。例えば上限値を超えた人は被爆しない別の作業に回したりしているという話も聞く、とのことでした。

一次下請け、二次下請けまでくらいはその管理で大丈夫だと思うんですけれども、そのまた下請けくらいになると、私が考えるには管理仕切れないということが最近分かりました。現に最近では、現在行方が分からない下請け企業の作業員が198人もいるということが分かりました。内部被爆の測定で、東京電力が元請け企業に作業員の所在を訊ねたところ、その名前の作業員は実在しないなどの回答がきたそうです。つまり、一人一人に至るまでの線量を確認することは個人管理では正直難しいということです。ついてはソフトの開発を進めて、各個人と雇用主に警告の情報がいくようなシステムの構築が必要だと思います。このようなシステムを開発するにあたって、採算がとれないと思われる人材の管理を、利益追求するという、民間企業の性質ですけれども、利益追求しなくてはいけない民間企業が行う余裕があるでしょうか。やはりこのことも政府が主体となってやっていくべきだと思います。地理的にも人の配置をそれぞれの被曝線量に合わせて考える必要がありますし、また、長期的なプロジェクトになることが予想されますので、それぞれの時系列的な配置も考えなくてはいけないと思います。このことと同時並行で、熟練した技術者も育てなくてはいけないと思います。こういったことをすべてできるのは、公益を第一とする国ではないかと思うんです。また予算、人員、インフラも一民間企業のものに限られてしまうと思います。予算、人員、インフラについて関連して申し上げれば、東京電力一社がやるのと、国家プロジェクトでやるのとでは、全体の工程表の進み具合についても、違ってくるのではないか思いますが、以上のこといかがでしょうか。

 

松井委員長:細野国務大臣。

 

細野大臣:あのう基本的な問題意識としては今おっしゃったことと私は全く同じ意見を持っておるんですけれども、ま一つだけ悩ましいなと思っておりますのは、人員の確保なんですね。ここはまあ国がもちろん関与するという方法も一つ確かにありうるとは思うんですけれども、それぞれ専門的な人材がどこにいて、それぞれ企業同士の関係があってですね、それなりに技術として回ってきたという面がありまして、人の、その人員の部分というのは、実際に政府が直接関与するというのは非常に難しい分野だなとこれまで思って参りました。一方で、といいながら、あの別に全くそれに関与しないということではなくて、まあ100ミリシーベルトを超えてくると5年間働けないというようなことももちろんありますし、そもそもやはり健康の問題を考えてれば、一人に放射線が集中しないほうがいいわけですから、できるだけ多くの母数を増やしてですね、交代で勤務していただくというのが一番望ましいですから、働いて頂き方であるとか、人員の確保の状況であるとか、そういったことは東京電力や関連会社の方からですね、聞き取りをして、出来るだけ幅広く人材を求めるようにというそういう形をとっております。そういう中で、この4ヶ月を振り返りますと、恐らく一番大きな問題があったのが、放射線量の管理だというふうに考えています。5月あたりから東京電力および関連会社あたりまではですね、ずいぶん管理が行き届く様になって参りましたが、先日私はJビレッジの方に行って参りまして改めて、建設会社の皆さんの放射線管理についてはまだ課題がるなというふうに感じました。そこで、今回のロードマップの改訂では、放射線管理は東京電力の仕事ではなくて、原子力安全・保安院による放射線管理体制の強化ということで書きました。従いましてこれまで民間がやっていたものを厚生労働省や保安院がチェックをするという体制になっていたのが、その責任の所在を保安院そのものにいたしました。ですからそこは、政府の責任としてしっかり放射線管理をしていくという体制が徐々にではありますけれども整いつつあるという、そういう状況でございます。で具体的なソフトなぞは割と民間でですね、管理の仕組みが上手くできておりまして、入るときと帰るときと線量計を出してそれが自動的に蓄積をされるという仕組みは、比較的今のところですね、順調に動いているような感じがしておりますので、そこも含めて問題がないかどうか責任を持って国として関与するという体制をこれからさらに強化していきたいと思っております。

 

松井委員長:牧山ひろえ君。

 

牧山委員:工程表の長期的な部分を考えた場合、そこに見合った数の人材を確保する必要があると思います。自ら志願している退職した技術者の方々も優先的に作業員に加えることも検討に値するのではないでしょうか。いかがでしょうか。

 

松井委員長:細野国務大臣。

 

細野大臣:先ほど前段の部分のご質問に十分答えられませんでしたので若干付け加えますと、これから第二ステップさらには中期長期となりますので、その長期的な問題に関わるなかで、国の関与のやりかたはより大きなものになると思います。その在り方を今の時点で私の方で明確に申し上げるほどの体制は整っておりませんが、そういう問題意識の中で国の関与を強めて参りたいと思っております。

で、今ご質問を頂きました、あのう技術者の方々のなかで、退職をした方が是非ということでいっていただいていることはよく承知をしておりまして、私も直接お会いをして、その心意気にですね、痛く感銘を受けました。そこで、ますでに何名かの方にはですね、現場にも行って頂いているんですが、そういう方々の持っておられる技術能力とですね、現場のニーズというものが一致をすれば行って頂けるような体制を是非作りたいと思っております。ただ、一点気になりますのは、ええ、全面マスクでの暑い気候のなかでの作業になりますので、率直に申し上げると、ある程度の年齢の方にはかなり過酷な環境なんですね。ですからそういう方々が万が一にもですね、そこで体調を崩されて大変なことになるということがあってはなりませんので、そこは細心の注意を払いながら、見極めていきたいと思っております。

 

松井委員長:牧山ひろえ君。

 

牧山委員:あの本日ここにリストの一部がありますけれども、後ほど提出したいと思いますけれども、この退職した技術者の人たちは、測量士から、ボイラー・タービン主任技師、放射線取扱主任者にいたるまであらゆる技術者が揃っております。

次の話題ですが、工程表の中の中期的課題が3年程度の、3年という根拠はなにかとききましたら、燃料の取り出し作業の開始というお返事を頂きました。燃料というのは使用済み燃料プールのことをいっていたので、原子炉の中の溶けた燃料のことをいっていたわけではないという回答を頂きました。この工程表は一般の人が見たら、原子炉の中の溶けた燃料の取り出しも3年で目処がつくと誤解を受けてしまうと思います。原子炉の溶けた燃料の取り出しも含む、今から想定される3年以降の作業についても、できるだけ明記した方がよいかと思いますが、いかがでしょうか。

 

松井委員長:細野国務大臣。

 

細野大臣:はい、あのう、確かにですね、同じ燃料の取り出しでも比較的健全な燃料が維持をされておりますプールとですね、相当程度溶融をしております原子炉の中ではかなり、これはレベルが違う困難を伴うと考えております。説明者の方が若干舌足らずのところがあったのかも知れません。現実的にはロードマップの中ではですね、燃料プールのところについての取り出しを3年間ということで、そこは明確に明示をさせていただいておりまして、そこは混同されないように丁寧な説明を心がけていきたいと思います。当然、あのう、長期的なですね、原子炉の中からの取り出しというのは、我が国の責任として国際的な協力も得ながらやっていかなければなりませんので、その検討には並行して着手を致しました。原子力委員会にですね、専門部会を設けまして、21日にすでに設置をしておりまして間もなく検討作業が始まります。さまざまな皆さんの英知を結集してですね、ええ、まいつにということは明確に申し上げられないんですが、少なくとも第2ステップが終わるときには、長期的にはこういうことがテーマでこんなことを今検討しているという中間的なですねロードマップ、中間段階のまだ完成系ではないロードマップ的なるものをですね、出せれば良いのではないかと、できれば出したいと、そんな思いで作業を進めているところでございます。

 

松井委員長:牧山ひろえ君。

 

牧山委員:・・・ましたので終わります。

 

(16分。以下略)