2011年3月の過酷事故から15年と6か月目、2025年9月の福島第一原子力発電所(イチエフ)の使用済み核燃料プール対策についてのレポートです。
1号機では、2027~28年度に開始が予定されている原子炉建屋5階の燃料プールからの292体の使用済み核燃料および100体の未使用核燃料の取り出しに向けて、使用済み核燃料の取り出し(準備)時に放射性物質の環境への拡散(1号機では水素爆発のため原子炉建屋5階オペレーティングフロアはむき出しです)を抑制するための、原子炉建屋全体を覆う大型カバーが2025年度中の完成を目指し設置中です。作業員の被ばくを抑制するため郊外で行われている準備作業では、天井クレーンの地組の地組が7月30日完了、可動屋根の地組が7/8ブロッ ク(87%)完了。構内では上部架構の設置が8月28日完了という状況です。今後、天井クレーン・可動屋根が原子炉建屋(カバー)に設置されていくものと思われます。
2号機では、2026年度に開始が予定されている587体の使用済み核燃料および28体の未使用核燃料の取り出しに向けて、原子炉建屋5階オペレーティングフロアにアクセスする燃料取り出し用構台の設置は完了し、オペレーティングフロアへの燃料取扱設備の設置作業が実施中です。2025年8月20日に燃料取扱設備の受電が完了し、8月21日より油圧供給ユニット動作確認試験が着手されたというところです。
今月は、1号機原子炉建屋大型カバー付帯設備、および4号機燃料取扱機の1号機における使用済み核燃料取り出しへの有効活用について新しくレポートしてあります。レポート本文をご覧ください。