「除染等業務講習会」について

 

2011年12月から東京、大阪、名古屋、福岡などの各地で、環境省主催による「除染等業務講習会」が開催されています。

これは除染業務を行う際の被ばく防止など安全知識を身につけるための講習会で、毎回400名以上の参加者で賑わっています。この講習会には福島原発行動隊のメンバーもすでに10人程度が参加しています。

福島第一原発の事故では大量の放射性物質が飛散し、福島県内を中心とする各地に堆積しています。現在、そうした放射性物質を取り除くための「除染」作業が本格的に実施されようとしていまず。その際に問題になるのが、除染作業に携わる作業者(労働者)の健康問題です。

「除染」は放射性物質を扱う仕事なだけに、放射線防護の措置や線量管理、健康管理などが必須となります。そこで、2011年12月22日、労働安全衛生法に基づく省令として「除染電離則」(正式名称:東日本大震災により生じた放射性物質により汚染された土壌等を除染するための業務等に係る電離放射線障害防止規則)が告示され、2012年1月1日から施行されました。

この規則の基本は、除染事業者に対して「除染業務に従事する労働者の健康管理」を義務づけたことです。労働者が受ける放射線量限度や放射線量の測定・記録・管理を定めているほか、汚染防止措置、健康診断等についても詳しく定めています。

さらに「特別教育の実施義務」が規定されました。これは、除染事業者に対して「除染業務に従事する労働者に対する特別教育の実施」を義務づけるものです。そのために、厚生労働省では『除染等業務特別教育テキスト』を作成し、特別教育はこのテキストの内容に則して行われることになっています。

この特別教育は、4時間の座学と、1.5時間の実技を内容としてカリキュラムが組み立てられています、冒頭に紹介した「除染等業務講習会」は、この「座学」部分について参加費無料の講習会として行われているものです。

今後、除染業務に参入しようとする事業者は、その雇用する労働者に対して、こうした座学および実技の講習に参加する機会を与えなければなりません。

福島原発行動隊自体は、事業者として除染業務に参入するわけではありませんが、今後、ボランティアとして除染の仕事に携わる可能性もあります。そこで、こうした機会を利用して、メンバーのうちの有志が自発的に講習を受講しています。

なお、この講習会の今後の開催情報については、次のアドレスに掲載されていますのでご参照ください。

http://josen.env.go.jp/kousyuukai/kousyuukai_01.html

また、「特別教育テキスト」等は次のアドレスに掲載されています。

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001yy2z.html