渡辺 襄/世界一と豪語した日本の技術はこんな程度か

 

略歴
昭和十四年生れ、現在七十二歳
昭和三十七年福井大学機械工学科卒
三菱自工で乗用車設計、商品開発経験
平成二十年に現役引退、年金生活中

福島原発の事故についての意見
福島原発の水素爆発の映像を見たときは、一瞬広島長崎の原爆とオーバラップするほど異常な緊張を覚えた。ヘリコプターによる海水投下の冷却対応映像を見て、不安と対策の拙さに腹立たしさを覚えた。連日ネットではフリーの記者が周辺地区の異常な放射線量を現場から悲痛な声で緊急避難すべきと報道していたがテレビでは「直ちに健康被害はありません」とノーテンキな発表に怒りを覚えた。
一方命がけで対応している現場の声や対策の実態が出てこない状況に不安を感じた。
世界一と豪語した日本の技術はこんな程度か誇れる技術を総動員すべき時に一体これは何だろうと疑問に感じた。最高の英知を寄せ集めての結果がこれならば日本の技術は思いあがるのも良い加減にせいと言いたい。現実はモグラたたきの対症療法の試行錯誤としか見えず情けないの一言。非常・緊急事態の対応は考えられる対策はすべて同時に並行的に進めていく覚悟が必須。優先順位の分からないリーダのもとでは全滅の悲劇が待っています。
東電・保安院の会見を拝見しているが、今なお残骸むき出しの建屋から放射線を放出し続けている状況は信じられない気持。汚染水処理の映像も、いかにも小規模の姑息な対応に見る。日本最大の危機に際してなぜ姑息な対応しかできないのか。第二の敗戦ならば非常事態宣言をし日本の英知を結集していかないと本当に沈没するのではと危惧します。

行動隊への応募の気持ち
戦後の焼け野原、飢えと貧乏の中から高度成長の時代を無我夢中で日本の経済大国を支えてきたが気が付いたら定年退職、年金暮らし未来は明るい生活が当たり前の人生でした。が今の日本には、既得利権、既存組織の怠慢、権力の乱用への怒りしか覚えない、テレビ・新聞マスコミの情報操作・隠ぺいに怒り心頭、余生は命を捨てても世の中のためなら悔いはないとの気概で応募した。幸い年齢の割には元気であり最後のご奉公の一念で応募。

若者へのメッセージ
最近の若者の方がはるかに発想も豊かでありむしろ既存組織の中堅、トップの安住意識、不勉強に危機感を感じる。反省すべきは地位に面々とし変革にチャレンジしない政財界のトップ。格差を指摘しているが、強いて言えば行動を起こせと言いたい。お役所仕事と言われている時代遅れな対応に行動せよ。
今回の原発事故も安全神話と言ういかがわしいロジックで現実を覆い隠したことに怒れ。司法、学会、医療等の権威と言われている組織は襟を正しているのか疑問。既得権益に守られているものの崩壊の始まりではと思えるので、今こそ若者は勇気をだしてドンキホーテのように行動しよう。