岩上安身オフィシャルサイトにインタビュー未公開映像が追加されました(文字起こし追加)

5月6日の記事のインタビュー映像の未公開分を追加公開していただきました。
ぜひご覧ください。

110513『福島原発暴発阻止行動プロジェクト』賛同者インタビュー(未公開分)

以下、文字に起こしたもの

岩上: これが なかなか読みづらいですけど、再び生ずると花、古木再び花を生ずと見えるんですけが、正確に読むとどうなるのですか?
山田: 古木また花を生ずと、漢文読みしてください
岩上: 古木また花を生ず、これ素晴らしいですね 
山田: 我が気持ちを、書いたつもりです
岩上: これいつお書きになったんですか
山田: これは今年の震災前です。実は私が習っている先生のグループでの書展が3月10日からだったのです。それでこれを書いたのは、1月か2月です。3月10日から書展をやっていて、3月11日に佐々木和子さんが観に来ていて、観終わって座って話しをしてるところに地震がきました。彼女は帰れなくなってしまいました。書展の場所は門前仲町だったのですが、そこからだったら 私の家へは歩いてでも帰ってここまで来ることができるということで彼女は震災の日はここへ泊まったんですよ。実際はタクシーでもっと楽にかえってきましたが。
岩上: なにかこう、ご縁なのですかね
山田: なぜか知らないけど、自分で選んだ言葉です。
岩上: 選んだのですよね。ところでこれは自転車のロードバイクのヘルメットですね。私も自転車乗るんですけど先ほどちょっとお話を伺っていたのですが、富士山一周で120㎞を、パートナーの増渕さんとお二人で仲睦まじく走っている写真がありました。さらには去年、東京から東日本の太平洋岸沿いをずうっと辿って、下北半島迄輪行しながら、輪行というのは電車などに自転車を畳んで持って行って、ある地点から乗り出し、またそこで ある距離走ったら自転車畳んで帰ってくる。一挙に何百キロも走るのでは無く週末毎に少しずつ・・
山田: 週末ごと あるいは、連休を使ってすこしずつ走りました。去年の5月の連休は下北半島走っていたのです。
岩上: それで、今回の震災で津波に遭った沿岸部というのは、300㎞とも500㎞とも言えるほど あの大変な長い距離ですけども、その土地、相馬であるとか三陸とかをそこをずうっと走ってきたのですね。
山田: 全部走ってきました。南三陸や山田町にも泊まりました。
岩上: そこを走り終えてその翌年に、この震災
山田: この震災をみて、ほんとに因縁としか言い様が無いですね。
岩上: 何か呼ばれているような、やっぱり縁ってなにかあるんですかね。
山田: なにかあるのでしょうね。だから、なにかしないといけないでしょう。
岩上: そんなオカルトっぽい言い方しなくてもいいでしょうが、そういう心がけで己の体も鍛え、気力も体力も充実されて70代とはとても思えない。大変なことですよ、一日に120㎞走るというのは。ロードバイクで走ったら分りますけど大変なことです。
山田: あの富士山一周のライドの時は、多分最高齢だったのではないかという感じでした。ボランティアの伴走してくれる方がいるのですけども、「お幾つでいらっしゃいますか?」きかれて歳をいったら 「へぇー」と言われましたから、やっぱり多分最高齢でしょうね。でも時間内で走りました。
岩上: 素晴らしい。足切りに合わずちゃんと
山田: 足切りに合うと惨めですからね。
岩上: タイムアウトはね。素晴らしいですよね、なんかやっぱり現役なのだって感じですよね。退役ではなくて
山田: 現役でありたい。今日の話とはちょっと関係無かったけど、今もうひとつ友達とやっているのが小さな水力発電です。去年5月に1機目を動かしました。
岩上: 自家発電みたいなことをやろうと?
山田: そうです。400ワットぐらいの、小さな水力発電です。友達が自分の別荘のところちょうどよい水路があるからやろうよというので作りました。技術的なドキュメントをしっかりまとめて、そのドキュメントを使って地域の若い人を教育したのです。その人達が次の機械を作るという体制をつくり、2機目が今動いています。もうじき3機目を動かそうということになっています。大事なことは地域の人が自分の手で設備を作ってゆくということです。大会社に頼んで小さな設備を作ったのでは、すぐに1000万円、2000万円のお金がかかってしまいます。これを200万円で作ることができるような技術資料をしっかり作ったということがちょっと自慢なのです。
岩上: それも素晴らしいし、かつ予見的というか予言的ということですね。先ほど脱原発とか反原発とかいうことを声高に言う気は無いとインタビューで仰っていた。でもこのような重大な事態を突きつけられるとは思わずにやっていたわけですね。恐らく代替用エネルギーやってゆくためには、水力も太陽光発電も、小規模に、家庭だけでなく法人も 自家発電することが現実味を帯びるということを言う専門家の方も結構いらっしゃるんですね。
山田: はい
岩上: 私も今のお話を聞いていると、ほんとに実現できるかなという気がしてきますね。
山田: 普通の水力発電というのは、太陽光と違って水を取るところから、水車を回して電気を起して、その電気をコントロールするという一貫設備が必要です。特に太陽光発電より、電気のコントロールが難しいのです。そのコントロール回路を作りそれで供給するということになるので一貫設備なのです。だから技術としてはそんな簡単じゃないのですが、それをみんながやれるようにしようとしたのです。 どうせ水力やるんだったら、既存の会社にやってもらうんじゃなくて地域の人が自分達で安いお金で作る ことが出来ないと意味がない。
岩上: そうですね。
山田: いずれ水車を自作することも、考えています。
岩上: 水車、なるほど。ご本人はそう言ってはおられないのですが、決死隊をいうともう後は何も無い、捨て鉢の気持ちような ものを想像することもあるんですけど、そうではなくて生きていくこととか、何か新しいものを創造することとか そういう前向きな気持ちにみち満ちていて本当に素晴らしい。
山田: そんなに大きく前向きじゃなくて、残された時間というのは我々にとってはそう長いわけでは無いしいつ消えるかも分らないから長い時間のコミットするのではなくて、3ヶ月とか半年とか、その間にできることをしっかりやろう、その間楽しもうというのが、私が今生きているということです。
岩上: 今回のプロジェクトも 山田さん達であればなんか楽しんでやり遂げてしまいそうな気もしますね。
山田: あの だから あの 多分、ここまでお話すると繋がってくると思うけど、私が今回呼びかけていることも 一連の中のひとつなので あって、これだけが トンと あるわけじゃない。ということですから それを楽しめる。楽しく しんどいけど、怖いけど 怖いことを自分の心を注いで、楽しくやれればっていう そういう感じですね。
岩上: 素晴らしい本当に、まぁでも 先が無い、先が無いと仰いますけど まだまだあるかもしれないし
山田: だから はっきり言うと、何時途絶えても 悔いが無い、というその生き方をいつもしてゆくと だから、無駄なことをしないって言うと ちょっと生意気だけど、この一瞬一瞬が全部 我生である。という風なそういう、格好良いですねこれね。格好よく言うと、そういう感じのことをしてゆきたいな。っていうのが、字を書いたりする時もそんな感じが、この一筆がっていうのが やっぱり生きるし、それから 字を書いててとても面白いことっていうのは、二度と同じ字を書けないんですよ。だから、っていうことは この一瞬が二度と無い、っていうそういう感じですね。これが もうたまらない恐さでもあり、楽しさでもある っていう話を、 
岩上: 集中ですよね 
山田: 集中するとか しないとか、集中するんですよ していたからと言って、自分の気持ちのありようが この状態っていうのは、この今の瞬間しか無いんだから その時の字はそのときの字なんですよ。で、1時間後の字は 同じじゃないんですよ。いっくらでも集中しててもですよ、違うんですよ だから、そういう風に こう人間っていうのは ひとつひとつこうやって、生きてる。
岩上: 刻みながらね 
山田: 歩を、刻みながら
岩上: おそらく ロードバイクに乗ってるときも、ペダルひと漕ぎひと漕ぎ くきつい時もおそらく、おありで
山田: もちろん
岩上: でも その、ひと漕ぎひと漕ぎがね
山田: そうそうそう
岩上: ふー ふー 言いながら前へ出る、そういうことがねー
山田: そういう気持ちは、バイク乗ってると
岩上: 僕はもう へたれですからねー。ほんとにね ふーふー言ってますよ。でもあのに最近乗れてなくて、ちょっと残念な。
山田: 私も、仰る通りでこのお陰で、乗れていないんですよ。
岩上: でも 40代の時一時期乗って、改めてリタイヤしてから 
山田: そうですね
岩上: 増渕さんと一緒にね、あの長い距離をね 輪行などしながら、乗れるようになって ロングライドが出来るようになった。ロングライドって、素晴らしいですよね。
山田: そうですね ほんとに 暫く走ってないと、やっぱり70㎞が きつくなっちゃうんですよ。
岩上: いやいやいやいや、20㎞でも へぇへぇ ひぃひぃ 言ってますよ。
山田: それで 去年は、だから 「80㎞フン」って感じで 100㎞大丈夫ね。100㎞迄だったら大丈夫ねって。120㎞超えるとちょっと心がけないと走れないと、それぐらいまで行ってたんだけど、今はちょっともう だいぶ走ってないから80㎞怖いな。
岩上: いやいやいやいや、でも センチュリーライド、何度もこなしてるわけですから。
山田: いやいや まだ いっぺん、センチュリーライドは いっぺんだけ。
岩上: あ そうですか、センチュリーライドは 一回だけ。センチュリーってのは まぁ100㎞。
山田: 100㎞を超えたのは、何度もやってますけど 100マイル。センチュリーってのは、100マイルですから、これは1回だけです。まだ
岩上: あ そうなんですか。
山田: やっと超えたっていう感じ。
岩上: どちらで、センチュリーライドは?
山田: 荒川を80㎞上がって、80㎞下りたって感じ。
増渕: センチュリーライドって、イベントに参加したんじゃなくて 自分たちで、荒川を熊谷まで ここの江戸川の河口から、上がって下りてきた。
岩上: なるほど なるほど でも、ちゃんと距離を刻んでいるわけですから それは 、凄いですよ。
山田: 80㎞走ると、やっぱり弁当をちゃんと用意して どこで飯を食うか、どういう風に水を飲むか計画しないとやっぱり
岩上: 補給しないといけないですからね。
山田: 補給もちゃんと考えないと。
岩上: ハンガーノックとかになっちゃいますからね。いやぁでも、あの中断することが あっても、でも もう一度ねやれるチャンスが来たら乗り出そうと、なんか僕も気持ちクサクサしていたんですよ。
山田: やりましょう。
岩上: できないもんで、あのもう乗れないのかとと思ってたんですけど、折角自転車買ったのにあの乗れてなくて、ちなみに あの 愛車は何をお買いになったんですか?
山田: あの 安物、私は「ジャイアンツ」って あの安物です。
岩上: いやいや 
山田: 一番、安い。
岩上: 素晴らしい、でも ほんとに あの人生をエンジョイされてるなって、この あの、辺りもちゃんとお伝えしないとね。やっぱりね とっても人生に対してニヒリスティックな人が、
山田: はいはい
岩上: 捨て鉢の行動しているみたいに、まぁ 恐らく本編のインタビュー見ても、そういう印象は 誰も抱かなかったとは思いますけれども、充実した人生をお過ごしの方がですね、当たり前の様に 向かっていくっていうことを、やっぱ お伝えしたいですね。悲劇では無いんだ。
山田: そうそうそうそう
岩上: 決して悲劇ではないんだ。
山田: 決して悲劇じゃないんです。そうであっちゃいけない、人生悲劇になっちゃいけないから そういう意味で言うと、この声掛けると あのもう人生に疲れた若い方がね、「参加させてくれ」って言ってくることも、ありましてね。これは 丁寧に電話掛けて、1時間も長い電話をしながら話を、こないだは 会ってお話もしたけども、そういう方はお断り きちっとお断りして 次の生きる道を探してもらって、これもちょっと 私も予想しなかったことで、やらにゃいかんこと。
岩上: まぁ なのと言うんですか あの、命の電話みたいにな感じにっちゃうわけですよね(笑)あの セラピーまでおやりになってる状態とは、思いませんでしたけど 何れにしても、自死では無い これは決して自死に赴く道では無いんだ。
山田: 少なくとも 特攻隊、あの 神風特攻隊では無いんだ。ということは、よくよくみなさんご理解ください。
岩上: 命を捨てに行くのではなくて、自らの命を 良い意味で燃焼して
山田: そう
岩上:  自らの命と、他者の命を生かしに行く道だということですよね。 
山田: そうですよね。そのことで自分も、その瞬間をちゃんと生きている、ということを実感できるもので無かったら やっぱり やってはいけない。その瞬間瞬間
岩上: いや 素晴らしいお話、伺わさせて頂きました。あの ほんとにみなさまの これから、お楽しみの時間だと思いますので そろそろお暇しなければいけないと、思います。また お邪魔にあがりたいと思います。ほんとにどうもありがとうございました。
山田: こちらこそありがとう。あの また、進捗があったりしたら なんらかの形で、ご連絡させて頂きます。
岩上: 是非あの お気軽に
山田: 公開できることが、できたら。
岩上: 声をかけて頂けたら、ありがたいです。かなりの程度あの関心を持ってる人に、届かせることができると思います。我々は、
山田: そうですか、そんな悪いインタビューでは無かった?
岩上: ありがとうございます。悪いインタビューでは無いと思います。
山田: そうですか。
岩上: ほんの数分とかでは、そんな事は無いですから。
山田: そうですか、ありがとうございました。みなさんも、ほんとお疲れさまで
カメラ: ありがとうございました。
岩上: とういうことで、そろそろ 本当にお暇しましょう。お疲れさまでした。みなさん、ほんとうにありがとうございました。