ドイツのDas Erste (ドイツで1、2のシェアを誇るテレビ局)のインターネットサイト”tagesschau.de”にて、当行動隊が取り上げられました。
http://www.tagesschau.de/ausland/fukushima494.html
以下、上月真子氏による日本語訳
退役技術者たちが最大級の原発事故に立ち向かう
『私たち退役者が行かなくて誰が行くんだ』
福島第一原発事故の今後は一体どうなるのか?高濃度に汚染された現場での過酷な作業はあまりに危険すぎる。このような状況の中、ある退役者のボランティア グループが立ち上がった。『十分に人生を生きてきた私たちが行かなくて他に誰が行くと言うんですか』(Peter Kujath, ARDラジオ放送局東京支局)
発起者 山田恭暉 氏(72歳)は東京大学工学部冶金学科で学び、技術者として活躍してこられた。4月の始め、退役技術者たちによる『福島原発暴発阻止行 動プロジェクト』を立ち上げた。この組織の動きは、日本政府を納得させ、動いて行く助けになるべきである。山田氏は次のように語る。『福島原発の事故の直 後、私は同年代の技術者仲間たちと集まり、どうやってこの原発の暴発を食い止める事ができるかと何度も議論を重ねました。その為には長期間機能する高度な 性能の冷却装置が必要不可欠です。そしてその建設には機械ではなく人が直接携わらないと出来ません。この危険な作業を未来のある若い人たちにやらせるわけ にはいかない。私たち退役者がやるべきなのです』
この計画は非常に熟考されている
原発事故に対する政府と東京電力の行動記録や情報は、全てが明らかにはされていない。それが暗黙の了解となっているが、山田氏は5月の終わりか6月までに はこのプロジェクトが出来上がることを願っている。山田氏の話を聞いていると、このプロジェクトは成功するだろうという期待が抱けるのだ。この行動は自己 顕示欲とか、神風特攻隊といったものではなく、綿密に計画されたものなのだ。
『人の知識と身体能力には個人差があります。例えば、私の年齢では大きな責任を問われる課題を一人で請け負う事はできません。だからこそチームとして機能 するべきなのです。一番肝心なのはこのプロジェクトが自治体からの協力の下に進められていく事です。そして、個々の技能に応じて最適な持ち場、最適な作業 内容が振り分けられるべきなのです。』
90名のベテラン志願者が登録
山田氏のグループは関東地方を中心に2500人余りの人々とコンタクトをとった。現在、約450人の賛同者が集まり、60~80歳の約90人の志願者が現 地で作業をすることを願い出ている。『勿論、現地で私たちの身に何が起きるのか、という不安はあります、しかし、ただ怖いからと言う理由で何も行動しない わけにはいかない』と山田氏は語る。志願者の一人、佐々木和子氏は『私も不安を抱いています。けれど、現在の過酷な労働状況、そして、そこに置かれている 若い作業員の方々、そして彼らにはこの先も長く続く未来があるのだ、ということを思うと、私たちが助けなければいけない、と思うのです。』
我々志願者たちは報酬を目当てとはしないが、だからといって、適当な扱いを受けるわけにはいきません、と佐々木氏。『勿論私たちは自由意志で志願した訳で すが、同時に課題も出てくるのです。私たちにも人としての尊厳があります。個々の身体への影響も含めて適切な安全確保が必要になります。使い捨てられる、 というのではなく、モラルにのっとり計画が進められていくべきなのです』両氏は、今回の事故で確かな知識と技能をもたない作業員があらかじめその危険性を 的確に知らされる事無く現場に送り込まれるという事態が起きたと聞き及んだ。この事について両氏は直接的なコメントはしていないが、これによって、彼らの プロジェクトを進める決意は更に高まったのである。