第6回院内集会(2011年7月14日)

 

第6回院内集会
2011年7月14日 11:00-14:00
参議院議員会館講堂にて

内容:福島第一原発事故現場視察報告等

当日のもよう(USTREAM動画)

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塩谷、折井、山田それぞれの福島第一視察報告について、文字おこししたもの
(文字おこし:伴野準一)

伊藤:本来なら参議院議員のいつもお力添え頂いている牧山議員がここで司会をして頂くんですが、きょうは委員会があるということでしばらく欠席させていただきます。したがって、事務局に詰めています伊藤がそれまで司会をさせていただきます。どうぞよろしくお願いします。
では早速、行動隊の代表が現地に入って参りましたので、そのうちの3人から報告をしていただいて、質疑等進めていきたいと思います。

山田挨拶
山田:今ご紹介いただきましたように、一昨日12日に私ども5人で福島原発第一に視察をしてまいりました。まだそれから一日半しかたっていませんので、かなり頭のなかも興奮していますし、内容が整理されていないという状態です。したがって今後の方針を提起するとかいうことはとてもできませんし、統一した見解があるわけではありませんが、参加した3人が今日来ておりますので、それぞれ見たこと思ったことをしゃべってもらうということにします。したがって今日の話は行動隊としての方針説明ではなくて、参加したメンバーの感想あるいは印象のご紹介にとどめたいと思います。それをめぐって皆さんにいろいろご討論いただいて、それを今後、政府、東電に対する提案を作っていくための参考にしたいと思っておりますので、ぜひ忌憚のないご意見をいただきたいと思います。さらにメンバーの意見、ご意見ご質問のあとに、おいで頂いている報道の方々からもご質問を受けたいと思いますので、その時間をしばらく取らせて頂きます。メンバーの皆さんにはちょっとご迷惑かも知れませんが、なかなかこういう機会はないと思いますので、よろしくお願いします。
報告の前にひとつ紹介させていただきます。今日はうちわを配りました。原伸介さんとおっしゃる長野で炭を焼いておられる方がが我々の話を聞いてあちこちで講演でしゃべってくださっています。先日の沖縄での講演のときにお話しを聞いた多くの方が我々をメッセージをうちわに書いて送ってくださいました。それをみなさんにおくばりした次第です。それじゃ塩谷さんから報告をお願いします。

塩谷報告
塩谷:おはようございます。今山田から報告があったように、一昨日12日に、山田、折井、宮崎、高木、それに私5名で福島第一の現場を見せていただきました。私の頭のなかには行動隊に参加を表明されている方々のスキルがどこでどのように活きるかということを常に頭にいれながら、視察をしたつもりだったんですが、その点に対してまず、皆さんが一番お知りになりたいことだと思うので、最初にお答えしてから全体の話をしたいと思います。
大変残念だったんですが、現場の視察の時間にかなり重点を置いてしまったために、東電さんとの話す時間が実質的には3,40分しかなくて、私が今申し上げた行動隊の方々がどこでどう活かされるかということについての具体的な報告に関しては、きょうはすることができません。それをまずお断り申し上げます。
視察団の5名が、16日と25日、二度にわたって視察の総括会議を行います。その結果をきちんとした形で皆様にお知らせする予定ですので、これからの私の話は現地からの帰路に5名が全くフリーな形で議論したことをある程度まとめたところの話だと思ってください。
まず、午前7時にJRいわき駅に東電の方が迎えに来てくださいまして、東電のシャトルバスでJヴィレッジといわれる前線基地にいきました。福島第一原発から20キロちょっと離れたところにあるサッカーの練習場です。これは実は東電が作って福島県に寄付をしたのだそうです。で、それを現在は東電および東電の協力会社である東芝、日立その他の方の前線基地として、宿泊施設をはじめとしてグラウンドにまで仮設住宅を建てて作業の基地としているところです。
いわき駅から約一時間バスに乗って、Jヴィレッジに着きました。Jヴィレッジで東電本社の原子力施設管理部長兼安定化センター長であられる山下さんが迎えてくださって、以降我々がJヴィレッジを離れるまで、山下さんは我々に付き添ってすべての質問に答えてくださいました。
Jヴィレッジでまず、当日の見学で内部被爆をする場合もありうるからということで、見学前に体全体の中に含まれる放射性物質を検出するホール・ボディ・カウンター(WBC)でチェックをしました。このWBCは真新しいのが国の補助で入れてもらったという話です。それからすぐに私服から作業服に替えて、東電のワゴン車に乗って、福島第一の中枢である免震重要棟といわれるところまで、移動しました。これは避難地域を通るわけですから、沿道に人影はありません。沿道の住宅とか店舗はまさに取るものとりあえず避難したという様子が手に取るような状況ですし、たまたま畑の中で牛が、真っ黒い牛が5,6頭、ある程度野生化したのだと思いますが、駆け抜けていくのを見ることもできました。
Jヴィレッジにすべての個人持ち物を置いていってしまったために、時計も含めて、これから先の話は、時刻があまりはっきりしません。で、Jヴィレッジを出たあと免震重要棟に着く、しばらくの間、多分5キロ圏のところだと思うんですが、そこでJヴィレッジで支給された全面マスクを被って、つまり空気の中に放射性物質が浮遊している危険性がある場所に入るということで、完全に全面マスクをして、中央免震棟に入りました。そこで靴も履き替えて、最後の汚染防止のための準備をして、ポケット線量計というある程度被爆したらブザーが鳴る、何段階かにわけて鳴るんですが、それをポケットに入れて。幸いなことに熱中症対策のために東電の方が我々にも冷凍庫に入れて冷やした保冷材を背中に背負える様なベストを貸してくださって、それを作業服の内側に着てますので、暑さに関しては、ほとんど苦労を私自身はしなくて済みました。
向かった先は、まず1号炉から3号炉まで見渡せる、皆さんがよくテレビ新聞等でご存知の破壊された1号機と3号機と4号機がある写真をよくご存知だと思うんですが、その現場にいって全体を見渡しました。やはり写真テレビで見るよりは実際に見るほうが迫力が違います。山下部長が3号機の壊れ方が毎日毎日少しずつ様子が違っている。コンクリが剥がれて落ちてるんですけど、いろんな影響で少しずつ壊れている様子が違っているんだ、ということをおっしゃっていて、私はもう壊れたらその状態でずっとあるのかと思ってた、自分の想定の甘さにそこでまず一つ気がつきました。
一旦はずれの4号炉に着いて、そこではちょうどその上の使用済み燃料プールの下側の補強工事をやるために、鹿島のコンクリートミキサーが入っていて、作業員が一人おいでになったのですが、その横をすり抜けて仮設の階段を、ほとんど薄暗くて足下がなかなか見えないんですけども、すり抜けて最上階まで登って、使用済み燃料プールから湯気が立ってるというところを見てきました。薄暗いのでその他詳しい状況を見るまでにはいたらなかったんですが、だいたい最上階に着いた途端に最初アラームが鳴って、つまりそれだけ線量が高いわけですね。我々見学ですから最大0.3ミリシーベルト。これは東京に暮らしていて約半年分の被曝量です、自然放射能による被曝量だとだいたい0.3ミリシーベルト未満だと思うんですが。それの第一回目のアラームが鳴ったので山下部長が「降りましょう」ということなので、また5階から地下に降りて、それから後はですね、もう1号機から3号機の原子炉建屋の中には入ることがなくて、現在話題になっております汚染水処理施設、これは福島第一原発の中央部分を一巡りする約4キロの、ホースで繋がっているわけですが、その要所要所、ここはキュリオン、ここはアレバの施設で何をやっている、というところを一つずつ見せてくださいまして、その他に海岸沿いに置いてあるメガフロートといって汚染水を貯めるところとか、新たな津波対策として、鉄の針金で作ったカゴに石を詰め込んだものを積み上げた形の、応急的な処理ですが、そういうところも見学させてもらいました。それから最後、これは全く破壊がない炉ですが、止まっている炉です、6号炉の地下一階に貯まっている汚染水、汚染水が貯まっている状況を見せてもらいました。つい数日前まではほとんど近寄れる階段の上あたりまで来ていたけれども、それがかなり減っているということをお話してくださって、その汚染水といったらいったいどんな形をしているのかは私は全然予想していなかったんですけども、ちょうど小さな泥沼みたいだな、どろどろっていう感じじゃないんですけども、茶色い、やはり濁った水で、臭いもなんんにもないんですけども、これがそんなに放射能を帯びた危険な地帯なのかというので、ちょっとびっくりしました。
それで大体福島第一の構内のほぼ全域の、これはワゴン車から、あるいは要所要所は降りて拝見した訳ですが、それが終わって免震重要棟にもどって、汚れた手袋を、新しいのに取り替えて、トイレと水を飲ませてもらって、靴を履き替えてJヴィレッジへ戻りました。Jヴィレッジに戻るにも全面マスクをして、少なくとも5キロ圏を出るまでは、また苦しい思いをしなければいけないのですが、「全面マスクをここではずしましょう」といわれて、やっと解放された感じになりました。
Jヴィレッジについてすぐに私服に着替えて、再び内部汚染があるかどうかのチェックのためにホールボディカウンターで5人ともチェックをしてもらって、全員被爆がないということを確認いたしました。
みなさんのスキルがどこでどう活かされるかということは、常に念頭にはあったんですが、現場に立ち寄ったところ、あるいはワゴン車から見た状況では、ここを我々に是非手伝わせて欲しいというような現場に残念ながら出会うことができませんでした。
非常に構内は整然と整理をされている。もちろん、メインのストリートというか作業用に確保された道路に関しては、非常に整然となっています。さっきも申しましたように、1号炉から3号炉は、我々炉の建屋の中には入っておりません。これは多分、内部被爆の危険とか外部被爆の線量が見学施設、あるいは視察者に許される限度0.3ミリシーベルトを超えることを念頭において、東京電力のほうで、1号炉から3号炉に入ることは我々に遠慮してもらったのだというふうに私は理解しています。ですから1号炉から3号炉のなかでまだ工程表を見ますといろんな作業をしていかなきゃいけない。だからそういう部分で我々のスキルが活きる可能性はもちろん残っていると思います。Jヴィレッジに我々が戻って私服に着替えて、色々話し合う時間をもう少しあると思ったんですが、さっき申したように3,40分しか結果的にはなく、山下部長は、今東電が6月17日に発表した新聞発表から、さらにこれだけ進んでいるんだ、これだけ工程表沿って作業は一応順調に進んでいる。もちろんあちこちの水漏れとかそういう初期故障的なことはあるにしろ、一応進んでいるといことをかなりの時間を使って我々に説明してくださった、ということもあって、行動隊の作業に関してはあまり詳しい議論ができませんでしたので、後日の話し合いのための糸口として、私がまとめた行動隊の方々のスキル分布の表を作ったのを、検討していただきたいということをお願いして、帰ってきました。そこまでが私の報告です。以上ですが。

伊藤:ありがとうございました。あとで一杯質問が出ると思いますけども、先に進ませて頂きます。で、ちょっと報告です。今回のこの院内集会も、一昨日、衆議院参議院全部の議員のところに、きょうの集会のお知らせと、ぜひ出席をということで回りました。3人の方の議員の秘書の方が見えてますのでご紹介させていただきます。衆議院議員牧野聖修様の秘書の方、それから衆議院議員滝実議員の秘書の方の菊池さん、それから衆議院議員辻本清美議員の秘書の方がご出席いただいております。ありがとうございます。それでは続きまして、折井さんからご報告お願いします。

折井報告
折井:行って参りました。折井と申します。同じ報告になりますが、折井の目から見ました概要と印象をご報告いたします。東電からは、VIPなみの扱いを受けました。本店の電力設備管理部長を兼任する福島第一安定化センター総合部長、山下和彦氏が終始同行したエスコートを受けたのです。さらに4号炉の5階の屋上にまで上がりまして、もくもく立ち上る蒸気の直近まで案内されました。
4階にある無残な巨体のGEの再循環系MGセットを見下ろしました。山下氏は吉田所長の上司と名乗りました。そして見学後、心づくしのおにぎり2つと鮭の切り身のパック弁当を頂きました。
放射線管理と労務管理上、共に見学者扱い、すなわち原子力村の用語でいうエスコートランされました。したがって防災保険等は適用対象外となり、人身事故に対し自己責任とするという文書にサインしました。
被爆線量計(APD)の設定は、エスコートの法的規制の0.5ミリシーベルトに対して余裕を持って0.3ミリシーベルトで設定しました。実績の最終被爆値は0.17~0.13ミリシーベルトでした。最大線量率は3号炉の付近で約毎時3ミリシーベルトを超えておりました。これはきわめて高い値であります。
なおホールボディカウンターの使用前、使用後の値には有意な差を認められませんでした。要するに内部の取り込みがなかったということです。
それから次に汚染水処理設備は、東芝の油水分離装置、アレバのセシウム吸着装置、キュリオンの除染装置、その後に日立の淡水化逆浸透膜の順に装置がある訳ですが、もっとも線量の低い最後の淡水化装置だけが見学できました。これはちょっと余談になりますが、私は新聞報道から分析して、すでにキュリオン、アレバの装置がトラブルを起こすなあと見ておりますが、その辺のところのものは深く語るところのものを捉えることができませんでした。
これらの配管を引き回す配管は新聞報道のごとく、いわゆるカナフレックスチューブという商品名の樹脂製のチューブですが、これは告示の501上の4種容器、あるいは4種管に適さない材質です。これは私の職業上のことでよく知っておりますが、応急処置として当局も黙認しているものと予想しました。もちろん省令81号の溶接検査もこの忙しさでは、吃緊の用では対象になっていないと私は予想しています。
さて、見学後、きょうここにお見えにならない千代田化工建設の宮崎さんと話をしました。宮崎氏曰く、「これだけのものを3ヶ月でよくまとめたものです。我々なら1年は優にかかるものですな。1年でもできないかなあ」とのことでした。私も全く同感です。事故に際し昼夜の別なく働いた昔を思い出しました。この設備を作り上げるに対して、担当する現役の青年・壮年技術者に脱帽した次第であります。老人の出る幕ではない。暖かく見守り、受けた相談に真摯に対応する。これが晩節を汚さない技術者の道ではないか、と痛切に感じました。
折井は、見学後、言葉を左右し、支援の要否を述べない東電の山下氏に強く訊ねました。「支援は必要とするんですか、しないのですか、必要とするならば、技術者の支援ですか技能者の支援ですか。厳しく?それを聞くために来たのです」と申し上げました。彼曰く、「当面は技能者の方です。技術者としては強いて挙げれば水処理系の技術者です」と申されました。
結論。ここからは結論ですが、行動隊は国会議員並の賓客扱いを受けました。しかし具体的な支援事項は例示されませんでした。当面、仮設とはいえ循環冷却が達成され、将来に人的人材的不安はあるが、現在はとりあえず事足りている。東電にとっては人材不足は下請けの業者の問題であり、大局的な立場から問題になるけれども、どう答えたらいいのか、彼らも悩んでいるものと私は察しました。二週間前、この場で私は、「これからいって参ります。長期、恒久な長期路線ではなく火急喫緊の現実路線からの視点で行って参ります」といったように思います。私の結論はいずれもちがいます。しかし予備即応自衛官の構想はより強いものを感じて参りました。終わりになりますが、Jビレッジの屋上から見渡した光景から、東電だけではなく、メーカー、建設系、電気機械系、消防、警察、自衛隊など国家の総力を挙げて立ち向かっているんだなあという感じを強く受けて参りました。
暴発は阻止された。原子炉の暴発は阻止されました。しかし道は遠い、の感じも受けました。細野大臣が法を改正して、福島原発行動隊を法律を改正してあるいは超法規的な立場で、受け入れてくれるかどうか、の問題があろうと思います。もう一つは、東京電力は下請け丸投げの殻を破って、行動隊を受け入れるかという問題があろうかと思います。それから最後の問題。名前を変えて、行動隊から暴発阻止を取りました。行動隊はいかに変革していくか、目標をどこに定めるか。この問題があろうと思って帰って参りました。以上でございます。

伊藤:また報告ですけれども、民主党衆議院議員平山たいろうさんの秘書の方がご参加いただきました。それから衆議院議員河野太郎氏の秘書の方がご参加いただきました。ありがとうございました。では続いて、報告お願いします。

山田報告
山田:現場の状況はほぼお二人のご報告で想像できると思いますので、私はちょっと違った視点から見て申し上げたいと思います。まず一番大きな印象は、循環の水の系統がひとまず出来たということで東電の方々が安心していらしゃる、ということです。ただこの設備は実は個々のタンクあるいは除染のユニットの間をつないでいるのは全部フレキシブルなホースです。4インチあるいは3インチのホースでつないでいるわけですが、何キロもの距離にわたって屋外をホースでつないでいる、という状態で明らかに仮設の設備でしかない。しかも建屋の周辺とかパイプのあるところとかにはがれきがあってそこをホースが走っているというふうな状況になってます。これを本格的な冷却回路にするというのにどれだけのことが必要かというのが、私にはちょっと見えかねています。それからもう一つの大きな問題は、処理をする前の水が沢山ございますが、今後処理を続ければ続けるほど、高濃度に汚染された廃泥が大量に出てくるという問題があります。これをどう処理してどこに保管するのかということについて、必ずしも明確な方針は出ていないというふうに私は思います。
私どもをご案内してくださった方は、本店の原子力施設管理部長であると同時に、現場の安定化センターのセンター長で、そこには600人の人が働いています。で、ここで全体の計画を作り、機材を調達し、工事を計画し進捗を管理するという仕事をしていまして、免震重要棟におられる方々は日々の仕事を管理するということになっています。この600人の方がどういうふうに仕事をしておられるかっていうのお話を細かくうかがうことができなかったんで分からないんですが、特に東電さんのなかでは、水処理に関してのメンバーはいないというので、外部から人を借りたということをおっしゃっていました。ひとまず技術的な穴埋めはできると思うんですが、全体の設備をきちっと計画し、それを確実に製作し施工するというふうなことが本当に今のままでできるかということについては、私はかなり大変なことではないかというふうに想像しています。
そういう意味で、将来の10年にわたって稼働するような確実な設備を作っていくというふうなプロジェクトが今のままの体制でできるかということについて、私は若干の疑問を持ちます。今までの仕事を非常にきちっとやられたっていうことについて、あるいは大変条件の悪い中で短い期間にやられたということについて、東電の方々はそれぞれ大変いい仕事をした。見習う点は非常に沢山あると思いますが、長期的な問題に対してどうするかということはもう一つ別の問題として考える必要があるだろうというふうに考えます。
それから第2番目の問題として、当面作業員の不足はあまり大きな問題ではないという問題ではないという発言が山下部長からもありましたが、この事故処理が更に長い期間続き、大勢の人が働いていくということを考えると、現在の日本の国の中でやっている被爆管理のシステムで十分なのか議論する必要があります。中央管理センターがあり、各事業所が、例えば原発、福島第一原発なら第一原発で作業している人の被爆管理、それから雇用主である事業者ごとの被爆管理、そういう体制で全体を管理し、将来の、何十年にも渡る健康管理をし、しかも要員を確保していくということができるのだろうかということについて私は心配があるというふうに思っています。
それから、当面の作業としては、これは東電さんからも出た話なんですが、敷地内、発電所の敷地内、それからその周辺を含めた高い汚染を受けた部分の放射能のモニタリングを続けていくという作業、これもかなりの被爆をしながらやっていかないといけないという状態ですから、これは一つの大きな仕事として、かなり早い時期から手をつけないといけないということだと思います。
それからもう一つは細野さんも発言しておられたと思うんですが、発電所の周辺の汚染されたがれきの処理、それからさらに発電所の中の残されたがれきの処理、これもかなり大きな問題。がれきの処理についてはゼネコンなどがやるのではなくて、現在は東電さんが直接人を入れてやっておられますが、この辺のことについても体制をしっかりするということが必要なんではないかと。こんなことを私は考えます。そんな意味でこれから我々行動隊のメンバーがこの中にどういうふうに入っていけるかということについて、今のような問題を踏まえて議論をしてみたいというふうに考えております。きょうのところはまだ具体的な提案をするというには至っておりませんし、今申し上げたことはこのメンバーの中で、討論が進んでいることでもございません。私が考えていることでございますが、これから一週間十日の間にかなり詰めた議論をして改めて皆さんにご相談したいと思います。
きょうは三人がかなりばらばらの、しかも色合いも方向も違った発言をしたと思います。皆様から忌憚のないご意見あるいはご感想をいただけたらありがたいと思います。よろしくお願いします。
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